動かすほどに、言葉が不要になる

僕はゴンちゃんが好きです。

落語の柳家権太楼師匠は、観客を狂気の苦笑に引き込む。漫画家のいしいひさいちさんに似た味。

ムシロで腹巻きしている樹は、ゴンちゃんに似てます。

もう一人のゴンちゃんは、サッカーのU23代表のゴールキーパー権太修一。

昨日のシリア戦で、日本はシリアに負けました。特に、最終局面でのアルサリフのシュートは、ゴンちゃんの指先をかすめた。

試合後のインタビュー、悔しさが顔面に広がっていました。でも、これでイレブンは残り2試合を真剣に戦うのでは?

それにしても、ふて寝したくなりますよ、あのゴールは。

一方、ニュースでうれしかったのは、ローザンヌ国際バレエで、高校2年生の菅井円加ちゃんが1位になったこと。

彼女は、世界の有名バレエ学校やバレエ団に1年間無料でレッスンを認められるという。

すごいね。

このニュースが目に入ってきたのは、前に、写真美術館でバレエダンサーの首藤康之さんのドキュメンタリー映画をやっていたからです。

伝えたいことって、たいがい言葉を道具にしますね? 

バレエを初めて見た時に、体の動きで表現できる人がいるんだと、それまでの思い込みがはがれました。

3月16日から、彼は神奈川芸術劇場で「鶴」を公演するらしい。

英国ロイヤルバレエのウィル・タケットが演出・振り付けするというから、日本の民話「鶴の恩返し」を、どのようにコンテンポラリーにするんでしょう。

さらに話題は転じて、水泳教室の話。

教室は、1レーンを使って生徒はそこを往復する。隣のレーンでも別の水泳教室をやってました。

先日は、ドルフィンキックの練習。バタフライを始める前に、流れのリズムを覚えようということですがね。

できましぇ〜ん。体の可動部のボルトとナットがはずれているようで、水中盆踊り。

「はい、皆さん。それでは、隣のレーンを見てみましょう。彼は日本大学・水泳部です」と、そこで指導する兄さんの動きを水中で追う。

す、す、す、すご〜い。これぞ、イルカ泳ぎ。

アンコールの声に圧されて、再演。思わず、拍手がわき起こる。

わ、わ、わ、わかった。僕が水泳が好きな理由。バレエに共通する「動く体」にあこがれていたんです。

一方は、身体の機能を時間で競う。他方は、身体の振り付けで感情を描写する。

無口な時間を持ちましょう。