消費を解剖してから実験したマーク
雨ですよ、お客さん。僕の決心は、雨ごときで簡単にくじける。
本日、朝10時から水泳教室に行こうと準備してました。いつもの木曜日以外に。体を動かすと、よけいな事を考えなくなることに気付き始めたのでね。
でも、10時開始というのが、乗り越えなければならないハードルその1。出勤じゃないんだから。
バスで乗り換えるめんどくささが、ハードルその2。電車じゃないんだから。
レベルが高かったらどうしようという心配が、その3。競争しようとはハナから思ってない。
雨のおかげで、行かない言い訳ができました。今年、すでに何回目かの思いつきと挫折。
冬の水泳に抵抗感がなくなったのは、温水プールだからです。だいたい21度。ですから、お風呂代わりにもってこい。
自治体が運営するプールは、どうも、ゴミ焼却の熱を利用していることが、最近わかってきました。
まんじりともせす、読みかけだった「ぼくはお金を使わずに生きることにした」マーク・ボイル著を開く。
29歳、アイルランド人、金なし、車なし、テレビなし。持っているのはユーモアのセンスと、モデル並みの容姿。夕方の雑草とり、夜明けのソーラーシャワーをご一緒しませんか?
冬に文無し生活を始めて、春に「交際相手求む」とネットに出した案内文です。
彼は大学卒業後、オーガニック食品会社に入り、その後フリーエコノミー運動を開始。2008年に「国際無買デー」から1年間、お金を使わない生活を実験した兄さん。
世捨て人、ではありません。でも、試しに世の中のあたりまえを疑ってみたのです。
お金がなくても、生きていけるのか? と。
「現代は、1年中が夏である」と、この一言ドキリとしました。
安価なエネルギー、効率のよい輸送、真空パックのそろった食生活で、冬は「空腹の季節」ではなくなった。
でも、すべてを自前でまかなうということは、時間がかかるということでもありました。
電気料金を払わない → 電気洗濯機が使えない → 手で洗濯をする → 石けんを買うお金がない → 石けんを作る。
そこで、
火をおこす木を拾う → 自転車で運ぶ → ストーブでお湯を沸かす → 閉店したエコグッズ屋でもらったソープナッツを入れる → 1時間半、古段ボールをくべる → やっと洗剤ができて、やおら手洗いを始める。
たぶん、半日から1日仕事でしょう。
本文途中のコラムが、またおもしろい。
・金ナシの通信手段
・キノコで紙とインクをつくる
・ワードローブの取り替えっこ
・セイヨウオオバコの花粉症対策
・環境負荷の小さい住まい
・タダで楽しむパーティ
マークは、無意識に行われている買物は破壊的だ、と感じていた。それは、生産者と顔を合わせていないからだと。便利なお金は、両者を断絶もする。
スローライフは、とにかく時間がかかる。「時は金なり」という言葉が生まれたのは、産業革命以降なのでは?
次の越冬のためには、この冬の内から薪づくりをしなければならない。春・夏・秋の内に乾かす必要があるので。
木が燃える姿には、原初的な、何か呼び覚まされるものがあるでしょ。炎が持っている魔術性。
そういえば、「モバイルハウスのつくりかた ひとは0円で生活できるだろうか?」という、坂口恭平さんのドキュメンタリー映画が春に上映されるらしい。
音楽は「あらかじめ決められた恋人たちへ」。
どんな映画だろう、電気ストーブにあたりながら雨の日を過ごす。