専門は政治なのに、おちゃめな教授

この時期は、人事異動の季節なんでしょうか?

ブラジルでは、いよいよ17日から始まったリオのカーニバルだというのに、こっちは、防寒完全防備で「駒場東大前」駅に立つ。

御廚(みくりや)貴教授って、テレビによく出演する政治学者、ご存知ですか? 彼が、退官するので最終講義に行ってきました。

駅前がすぐ東大駒場キャンパスです。今回は、ここではなく、左に進んで先端科学技術研究センターもある駒場リサーチキャンパス。

かつて、立花隆さんが教えていた所ではないでしょうか? 興味半分は、そこがどんな場所か、どんな建物があるか、一度見たかったので。

この退官記念イベント、メディアに出慣れている先生だけに、1回こっきりではなく6回も実施。それも、毎回違う先生を呼んで開催する豪華版。

しかも、1時から5時まで。

・テキスト「日本政治外交史」講義

・「現代日本の形成過程」で、視聴覚メディアとの出会い

NHK「課外授業 ようこそ先輩」で「政党ってなんだろう?」上映

・今回のゲスト、池内恵准教授の講演

・釈明と乱取り、という名前の対談

・「最終講義の果てに!」講演

以上で4時間。さすがに講演を終わって降壇する瞬間は、御廚先生もウルウル気味でした。約9年間、在籍してましたので。

別れを告げる仲間。友だちといえば、アミーゴ。で、曲もヴィンセント・アミーゴなんてどうでしょう。

政治史や公共政策の教授が、TBS「時事放談」や放送大学などメディアとつきあっていくうちに、表現・語りを深めて行った。

若手の池内恵准教授から「でもそれは、伝わっているのでしょうか?」と問いかけがある。

つまり、放送と通信が分離している日本の現状を指摘しているのです。

早朝の「時事放談」の平均視聴率は2%。低視聴率が問題なのではなく、時間指定でDVD録画し、それを基に双方向通信ができる。すると老人向けではない番組内容に変えられるのでは? と。

あるいは、「若者は、テレビは『大人の事情』で作られているから、ウソだろうと思って見ません」と。

いやいや、大人も見てません。特に民放は。

「TBSは貸しビル作って大家さんをやっているので、志がありません」と応える老教授。

それに、放送現場は2〜4段階下の下請け会社がやっているので、提案できない。のは、どの放送局も同じ。

外国にできて、日本でできないのは、放送法の許認可制度の問題なのか? 商習慣の違いなのか? 抜け駆けを許さない多数決文化? 働き方? 資質?

「現場では、スタッフにアドバイスしません。なぜかというと、次回から、その役割の人がお払い箱になって、自分がやることになるので」と経験談。キビシイね。

建築にも関心のある先生は、退官後、放送大学に移って「権力の館」という番組を企画中。

放送大学って、見たことあります? 「マイクをつける手が震える」後期高齢者も働いているそうです。そういうドキュメンタリー番組こそ見たいね。

ともあれ、最後の最後。3月10日にはファイナルイベントとしてトークショウ「政治へのまなざし」があります。これは90分。