「テーブルの喜び」という名の料理
今週の22日で、水泳教室第2クールが終了。過去6ヶ月、よく続いたものです。
有終の美を飾ろうと、自主トレをしました。平泳ぎ・背泳ぎ・バタフライを2時間みっちり。
疲れましたぜ。体はデロデロで、鼻汁はズルズル。かんでも、かんでも、ズルズルする。
背泳ぎ時「頭を起せば、鼻が垂直になるから水が入ってこない」と教わって、やっているのに水が入る。ロンドン五輪代表選考会まで、3週間。早く、彼らの水中映像が見たい。
「見てどうするの?」とあきれ顔のあなた、そういうもんじゃありません。レベルの違いを乗り越えて、スイマー同士は切磋琢磨するのです。
という体を引きずって、やって来ました首相官邸。本日は春分の日で、旗日。道路にクルマなく、ビジネスマンも不在の一帯。
「暑さ寒さも彼岸まで」という割には、結構冷えますな。恒例の散歩をするつもりが、早々にとりやめ。
ところで、最近BS放送のチャンネル数が増えたそうですね。スマホ専用放送局もできたというし。WOWOWも負けじとチカラが入って、本日、エイミー・ワインハウスを放映するという。
知らないと飛びつくタチなので、さっそく聴く。
さて、ここに何しにやってきたか?
首相に呼ばれたのではなく、宴会に呼ばれました。「ザ・キャピトルホテル東急」。新装なって、初めて足を運ぶ。
ホテルの食事は、忘れたほど久しぶりです。
メニューの一行目は「最初に」と来ました。
落語の三遊亭金馬師匠の「居酒屋」を思い出す。酔客が店の小僧をからかう噺。
「何ができるんだ」
「何でもできます」
「じゃあ、『くちうえ』ってのを、一人前くれ」
「お客さん、あれは『口上(こうじょう)』って読むんで、肴じゃありません」
思い出しても、口にはしませんでした。ひとまず、おとなしくしていよう。
二行目 タラバ蟹と冬野菜の白菜包み 2色のピューレ添え
三行目 名前と実物が結びつかないので、以下略。
メインディッシュが来る前に、すでに満腹。
そこへ、やってきました、シェフの笹本さん。なんか、すごいとこに僕は呼ばれたのではないか?
それにしても、この尊顔。ほれぼれしました。「居酒屋兆治」のフランス料理版。ロバート・デニーロ似。タクシー・ドライバー。
酸いも甘いも、わかっている男。過去があるけど、語らない男。仕事をやり続けて、できた男。
「ザ・キャピトルホテル東急」の敷地は、北大路魯山人がやっていた星岡茶寮だったエピソード、知らなかったなぁ。
美食家で、食器も作り、絵画・書道・漆もやった。天衣無縫と気難しさが同居していた人。自由人で虚栄人。
星岡茶寮は、会員制の高級料亭でした。永田町にあった、ということは、政財界の顧客を目当てにしたのでしょうか? 今まで、文化人を相手にした料亭のイメージでした。
エピソード2は、有名ですね。元、東京ヒルトンホテルだったこと。
1966年、ビートルズ来日で彼らが宿泊したホテル。「その時、あなたは何をしてました?」というくらいのビッグニュース。
ぼんやりした学生で、高校時代の同級生から新興宗教に勧誘されていたことを思い出します。僕なら、簡単に入信すると読んでいたんでしょう。
ところが、「ビートルズが来日しているのに、こんな所にいていいのか?」と、話が終わるのを待ってました。とはいえ、同級生たちの血が沸き上がっていた時、「何がそんなにすごいのか?」というくらいの、ぼんやり振り。
リアルタイムにいながら、リアルタイムに感じていない。以降も「遅かりし」経験はいくらでもあって、平たく言えば鈍感なんです。
館内に飾られていた写真を見る。
左から、リンゴ・スター、ジョージ・ハリスン。右は、ジョン・レノン。残りはポール・マッカートニーのはずですが、どうしても本人に見えない。同行のスタッフでしょうか?
今宵の宴は、春高楼の花の宴。めぐる盃、めでたさに酔う。