日本の4倍の国土に、人口279万人

とうとう、ゲルの実物を見る。

図鑑などでおなじみ、「世界の住まい」のようなページではエスキモーのイグルーと並ぶ、モンゴルのゲル。

覚えているでしょう、「遊牧民はこのゲルに住んで、草原を移動しながら暮らす」という説明。

部品は、木の骨組みとフエルトの幌、そして玄関のパーツと実にシンプル。外側は、ロープを巻いて留める。基本的に、柱がない。

これは円形で2坪のもの。ちょっとした家具もついて45万円。高いか安いか、どうなんでしょう。

家族全員が住むには、もっと大型のゲルが必要で、円形だけでなく、小判状のものもある。

中は、けっこう暖かった。

説明してくれたのは、ブージンさん(左)と、ドギさん(右)。日本に留学中の2人です。ほんとは、もっと複雑な音の名前です。

たぶん、夏なら幌の裾を折り返し、冬なら幌の枚数を重て真ん中にストーブという暮らしでしょうか。

音は「12月の太陽」。素朴な建物で暮らすと、冬の太陽って身近でしょうね。

ジェトロ日本貿易振興機構が主催した「モンゴル展」に行ってきました。

商談会です。

カシミア、ウール、皮革製品。ワイン、ジュース、ハチミツなどの食品。雑貨、観光業も。

カシミアは、この冬ずいぶんとお世話になりました。やはり、暖かい。1枚のセーター作るのに、5〜6頭のヤギが必要だから、どうしても高価になる。

岩塩もありました。

「餃子の具に混ぜると、おいしいんです。うがい水につかったり、お風呂に入れたりもします」。

黒ヤギのサプリメントを試す。

ヤギのミルクは、タンパク質やカルシウムが豊富で、骨や血液に効果あり。お湯で溶いたのを一服。やはり、ミルク味でした。

写真は、「オオカミのくるぶしの骨」。

白鵬はじめ、ご当地出身関取衆が持ってそうなアクセサリーだなぁ。

「モンゴルの男たちは、買わずに盗むんです。盗んだほうが、より強くなれると信じているから」と、これまた留学生の説明。「自分でオオカミを殺して作れば、さらに強くなれる」らしい。

成田ーウランバートルは、飛行機で4.5時間。

けっこう近いのに、知識はジンギス・ハーンだけ。それが出掛けた理由ですが、興味の重点は動物でした。

アナグマノウサギ、レイヨウ、ロバ、ラクダ。地平線はるかな山岳や砂漠や草原に、彼らが点在する風景ね。

今回、初来日の画家。ガンバトロ・チョイムボロGanbaatar Choimbolさん。通称ガンバ。

葛飾北斎も動態スケッチがうまいですが、彼も馬の姿勢がうまい。これは、永年描いている人の絵です。

「田舎で暮らしていたので、4歳から描いてます」そうでしょう。曲線が自由で、ユーモラス。彼は馬年というから、念が入ってる。

モンゴル大統領も私設の美術館に作品を所蔵している。1年間で3回ほど個展を開くという。多いのは中国で、他にフランス・ドイツ・アメリカ・ニュージーランド。ロシアでも。

エルミタージュ美術館の館長が買ってくれた絵が、これです」と複写した写真を見せられる。草原を疾駆する馬の絵。

ラクダもありました。風に吹かれて我関せずと、表情が大らか。

日本で、絵本画家50人の1人に選ばれた人でした。

壁にキャンバスをピンで留める見せ方も、大らか。額装してません「荷物になるから」。中身より、額を買ってるフシがある日本人には、不安に陥れる売り方が可笑しい。