どこにある国か、わかりますか?

元旦からほぼ3ヶ月が過ぎました。3月最終週は、4月を迎えるにあたり、スタート準備にいそがしい時期ですね。

なにかと。

学生なら、卒業式も終わり、卒業旅行からも帰り、就職先の新人研修も終わる。あるいは、研修中。

僕も、研修を受けました。社会人のスタートは、航空貨物の代理店だったんです。ジャンボジェットが導入されて、大量輸送が始まる時代の話。

研修の一つで、世界の都市コードを習う。ニューヨークならNYC、ロンドンならLONという規定がある。

ラベルの宛先欄に都市コードを書き込み、それを段ボールの荷物に貼るのは、当時の輸送業の世界ルール。

夕暮れ時、スーパーの脇に山積みされた段ボールの山に引き寄せられるのは、22歳の研修が今に続いているからで、どの国から来たか確認する。

わかれば安心する。わからなければ、「どこの国・都市だろう?」と、たたずむ。

怪しい挙動でしょ? 趣味だから、とめられない。

「そういえば、21日には図書館でCDコンサートをやると掲示板に出てた」と思い出す。

向山恵理子さんのアニャンゴ「HORIZON」。ニャティティという楽器を演奏するらしいが、いかにもアフリカの響き。

ついでに、棚に置いてあった「ウガンダを知るための53章」明石書店刊を借りる。

知らないよねぇ、ウガンダ

ケニアの隣の国。首都はカンパラ。「バナナの国」ですって。

インドに次いで、世界第2位の生産量。そして、ほとんどを輸出せず、ウガンダ人が食べる。1日4〜4.5キロも!

バナナは生食用と料理用があり、これは日本人が「朝食に1本」などというレベルを超える。つまり、米や麦に相当するんでしょうね。

栽培に手入れが必要なので、家屋のまわりはバナナ畑が取り囲む。遠くから見ると、畑の中に農家が埋もれている風景が続く。

品種は600ある。収穫は1年中できる。ということは、ウガンダ農民は全員バナナ博士ということでしょう。

食べるだけじゃありません。

葉は、床に敷いてカーペットになり、包装紙にもなる。家畜の餌にもなる。葉の軸はバスケットを編むのに使う。枯れ葉は、屋根を葺いたり焚き付けに便利。

果皮は、タバコの材料。花は、ポリタンクの栓にする。

1本1本のシルエットが美しいのでインテリアになり、群生する畑は、騒音を吸収すると、いいこと尽くめ。

「結婚して親から独立し、新しい土地を選ぶ時は、バナナがうまく育つかが基準」と、長老の話。

バナナ畑も見たいけど、村の雑貨屋も訪ねたい。

夕暮れ時、三々五々集まって来る村人たち。

赤土の道路脇に建つ、よろず屋にインゲン豆、とうもろこし、砂糖、紅茶、塩、ビスケット、あめ玉が並ぶ。

灯油、石けん、鎮痛剤、マッチ、電池、ボールペン、安全ピン。

収穫したバナナを預け、売れた分の料金を受け取る。店はマージンを取らない。なぜ、自分で直接売らないか? 近所づきあいの手前、お裾分けするならいいが、売るとカドが立つから。

店も、手数料を取らないで、どうやって商売になるのだろう? 助け合いとか、社交の場なのかも。

「何もしないよりマシ」というのが、店主の答え。

「家にいて、うわさ話をグダグダやるよりいい。貯金もあるけど、使えばなくなる。店を持っていると、目減りしないでキープできる」。

開店場所は、できれば隣村のほうがいい。勝手知ったる自分の村では、商売がやりにくい。そりゃ、そうだ。

「どちらから?」

ボツワナから」

ウガンダも知らないけど、ボツワナもね。散歩で出会った女性と話す。

「ダイヤモンドが採れる国です」。

南アフリカの北にある国。

南アといえば、ダイヤのデビアス社の鉱山がある国でしょ? 鉱脈がボツワナにもつながっているのでしょうか?

ほとんど、空白地帯のアフリカ。「アフリカの都市コードは覚えないまま退社したなぁ」まで思い出す。