住宅街で、個展を見る感覚がある

たぶん、世田谷区の住民でも知ってる人はあまりいないのではないでしょうか? 

世田谷観音

三軒茶屋駅から、ゴニョゴニョ角を曲がって、さて、20分から30分は歩いたでしょうか。

先を急いでないので、変わった煙突を眺めたり、植栽を間近で凝視したり。音はロン・セクスミス

さっさと歩けば、10分前後で到着できるかもしれません。

迷いながら歩くのがダメな人には、単純なコースを紹介しましょう。国道246号線が明薬通りとぶつかる角まで行き、左折して真っすぐ行けば着きます。

ちなみに、同じ道を2回歩くのが嫌いなので、帰りはゴニョゴニョじゃなくて、単純コースで三軒茶屋駅に戻りました。

とはいえ、帰り道でもひっかかる。われながら緩慢だよねぇ。  

・明薬通りの地域案内板  「通りは、蛇崩川緑道と並行しているんだ、なるほど」と一人納得する。

・角の小川木材店案内板  「今月のイベント 春の木工教室。お一人様2500円(スイーツ&お茶代込)」は、わかったが、いったい何を作るの?

なにはともあれ、到着しました「世田谷てづくり市」。9年前に始まっていたんですと。

ブースを見学する前に、境内散策。

韋駄天がいましたよ。走ったら速い韋駄天が。

天の邪鬼が、仏舎利を奪って逃げ去った時、コラ〜ッとすぐに追いかけて取り戻した。

文殊菩薩もいました。「三人寄れば文殊の知恵」の文殊

3人の総合能力に匹敵するくらい、賢い。ですから、学問の本尊です。

多羅葉樹というのが、茂ってました。

紙がなかった時代、木の葉の裏を傷つけると黒くなるので、文字を書いて文通した。多羅葉樹が「葉書」の初めの木となった。確かに広葉でした。

古典文学の味が利いてますね。

神州不滅特別攻撃隊之碑」というのもある。佐官・尉官・下士官・兵を慰霊する文章を読む。



まず、喉を潤そう。カフェは、境内横手にある旧代官屋敷。10店舗ほどあったでしょうか。

店舗といっても、テーブル1つに店主1人。なんとなく、家の台所が出張してきたようにのんびり。「あのさぁ」なんて声をかけたくなるくらいです。

コーヒーを飲みながら、最近増えて来た「手作り市」のスケジュールを読む。ほぼ毎週・週末あるんですね。

知らん間に。

20年ほど前は、ほぼ毎週「骨董市」に通ってました。こちらも寺社が多かった。その時の習慣で、まず境内散歩してしまうのです。

違っているのは、「骨董市」は売っている人が骨董・古物業の人。基本、店舗を構えずにいますが、プロであることには変わりない。

一方、「手作り市」は作り手が売る。趣味が嵩じたアマチュアから、もう少しでプロまでの発表の場。青空個展。

だから、完成度もまちまち。それが楽しい。

写真は植助さん。可愛いかみさんと2人で出店してました。本業は、植木屋さんです。2人でおもしろがって作っている盆栽。

「苔が好きで作ってますが、植木との接点って、意外とないんです」。

道具が違うでしょう、サイズが違うでしょう。第一、苔の手入れをお願いするほど由緒のある庭がない、建物もないよね。

苔玉はインテリア、植木はエクステリアだもんね。

織物、毛糸、木工、陶器、金工、ガラス、皮革と、手作りジャンルはそろってました。

覗いていたらありましたよ、小さな貝殻を付けた長さ2cmほどのピンチ。貝殻の付いたマグネットやポットもある。

自然の色と形って、造形を狙ってできるものじゃない。

「おばあちゃんが奄美に住んでいる」坂下さん。

観光客が訪れる海岸には、貝殻が落ちてない。この小さな貝殻は、地元の人しか知らない海岸にあるそうで、おばあちゃんは拾って集めるのが趣味。

それって、ビーチコーミングとか言うんじゃないかなぁ? 
浜辺に流れ着いた瓶のフタとか、流木とか、缶を拾って工作する。

我が家にも、いろいろあります。確かに貝だけは拾えず、料理屋で出されたものを持ち帰るだけ。

これをランプにしようとか、花器にしようと飾ってありますが、意外なアイデアって出て来ないんですね。

坂下さんのは、女性ならではのアイデアで可愛い。

いい(I)年(T)齢して、工(K)作愛ますます深まる。

ITK第2弾でした。これからも、手作り市に出没しよう。