そっとしてあげたほうがいいかな?
「音だっち」ツネツネは、当年26歳です。たぶん。
彼から来ました、奥村チヨの歌。これは驚きますよ。どこから、この曲を仕入れて来たのでせうか?
ナデナデと、ヤキヤキと、ダキダキですよ? お客さん。
彼、最近何か困っていることがあるのかなぁ。
江戸川区・葛西臨海水族館では、ペンギンの飼育係のお兄さんが困ってます。
フンボルトペンギン1羽が先月4日に脱走して1ヶ月、杳として行方不明。水族館は情報提供を呼びかけています。
誰に? 人間に? ナンセンスでしょう。
残っているペンギン134羽に、よ〜く事情を説明して、根気よくわからせて、東京湾に放つ。脱走ペンギンの親や友だち・恋人なら、なお理想。
「飼育係のお兄さんも、反省しているから、戻っておいでよ」と言えるから。
それでもダメなら、東京湾を住処とする魚類・貝類・甲殻類、場合によっては鳥類などに話をつける手もある。
湾内は好物の小魚が多く、外的から身を守る砂浜や岩場があるから「悠々自適」に暮らしている、と専門家は推測している。
「朝日が昇る前に泳ぎに出て、日没前後に陸に上がって寝る。エサが安定していれば、年中同じ場所にいるからサラリーマンのような生活を送る」のがペンギンの習性らしい。
水族館には、「見つかりましたか?」との電話が後を絶たない。
飼育係のお兄さんの年齢は不明ながら、どこかで「上海帰りのリル」を仕入れて聴いているかもしれません。
旧江戸川河口を多い時で1日3回も双眼鏡を手に捜索しているが、見つからないペンギン。
地平線・水平線に、点のような黒い影を求めて。
その広さをギュ・ギュ〜っと圧縮して机で遊べるのがこれ。
「紙でつくる1/100の世界 テラダモケイの楽しみ方」寺田尚樹著。
動物・鳥類・人間シルエットがランナーでつながっていて、プラモデルと同じ。現物は丸の内にある「三菱一号館美術館」ミュージアムショップで買いました。
整理・整頓ができないので、現物は行方不明となり、あらためて本で遊ぶ。
寺田さんがモデラーであるのは、予想してました。
バックグラウンドが建築家だったとは意外。明治大学建築学科を卒業後、イギリスの建築学校へ留学し、一級建築士事務所も設立したバリバリ。
建築家 →
仕事で建築模型を作る →
樹木や人間やクルマも建物に添える →
風景を作るおもしろさに目覚める →
東京やニューヨークの市街風景セットを作り、街路樹風景を作り、工事現場風景を作っているうちに、お花見編・オーケストラ編・サッカー編と広がる、広がる。
動物園編は、その一つだったんです。
ゾウは、わかるとして、あとはやたらに細かい。このガイドブックがなければわかりませんでした。
ヤクシカ、アカゲザル、ヤマネコ、アライグマ、タンチョウ、ヤマドリ、オシドリ、コイ、フナ、オオサンショウウオなど。
なんで、キリンやカバがいないの?
「ゾウを除いて、井の頭公園にある動物園をイメージして。・・・・・。作者が彼女にふられたのもここでした」。
あぁ、上海帰りのリルだこと。「船を見つめていた」。
そうだった、海にはぐれたペンギンですよ。
児童書で有名な、こぐま社の本を紹介します。「チムとゆうかんなせんちょうさん」Little Tim and the Brave Sea Captain。
大判で、イギリスのヴィクトリア&アルバート博物館所蔵の原画を精密に複写して作った本。
原画の表面にある糊の跡や、印刷入稿時の指示書、それに裏に鉛筆で書かれた通し番号まで再現してあります。
こぐま社創立者・佐藤英和さんの永年の夢と熱意が伝わってきます。
1959年に岩波少年文庫でエドワード・アーディゾー二の絵と初めて出会い、1986年にロンドンの書店にあった絵本すべてを買い取り、1996年に博物館で原画を初めて見る。
そしてアーディゾー二生誕110年にあたる2010年、ついに復刻版の許可がおりました。
見返しにプリントナンバー「419」とありますから、少部数出版なのでしょうね。
・少年チムは、浜辺の家で暮らしていた。少年は、とにかく船乗りになりたかった。
・浜辺のボートで遊んでいると、船乗りが海や船のことを話してくれた。
・「見てご覧、P&Oの船だ」とお父さんが言ったので、チムはびっくりした。
・雨の日、チムはキャプテンのマクフィーさんの家を訪ねた。
そうです。いつの時代も少年は荒海をめざす。
行方不明ペンギンは、去年1月生まれ。人間ならチムくらい。「探さないでください」と水族館に書き置きがないかなぁ。よく探してみてよ。