いつから、こんなに手厚くなったの

写真の日付を確かめたら、3月28日でした。ちょうど1ヶ月前に、目黒駅で見かけました。

このポスターの人たちの組み合わせ、なんとなく異形・奇怪と感じませんか? 

それに、「Le Sacre Russeサクル・リュス」のタイトル。後ろの蒸気機関車に赤い星。ははぁ、ロシアでしょう。だから「リュス」なんだ。

上部の文字を見て、納得しました。「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」 1回言っただけでは、覚えられません。去年、教えてもらったばかり。

ゴールデンウィーク中に、有楽町の東京国際フォーラムで開催される音楽祭のこと。2005年からやっていて、今年のテーマが、「サクル・リュス」だったのです。

で、ポスターの6人組。

左から、リムスキー・コルサコフチャイコフスキー
真ん中がラフマニノフとストラビンスキー。
続いて右へ、プロコフィエフショスタコービッチ

ホームページで調べてわかり、改めて、マジマジと見る。

春の祭典」のストラビンスキーは、右から3人目。こういう顔していたのね。「サクル・リュス」とは、つまり「ロシアの祭典」の意味でした。

なにごともビジュアルから入るので、作曲者の顔を見れば、なんとなく聴くキッカケができます。種火みたいなもの。

惜しむらくは、野外でないこと。理想は、19世紀の石の遺跡があるような野外。飲食ができて、途中どこかに遊びに行けて、飽きたら眠れるような野外。

「TOKYO STORY 2011」のパンフも、3月に入手してました。

4月29日までやっているので、安心していたら、まもなく終了するので、あわてて出かける。

3会場あります。渋谷と青山と本郷。青山会場は国連大学の裏手にある。

皆さん、国連大学は校舎はあれど、中で何をやっているのか不思議だと思ったことないですか? 教授にも在校生にも卒業生にも出会ったことがない。

今回も不思議は解明できず、すごすご、地図にある裏手に回る。

本屋の青山ブックセンターへ行くには、エスカレーターを降ります。降りないで、左手にあるのがコスモス青山SOUTH棟。およそ、展覧会が開催されているとは思えない閑散ぶり。

オートロックに、とまどう。

3階が、会場でした。2人の個展と、1つの恊働展。

台湾のルー・チーユンの蜘蛛がおもしろい。タイトル「生きるには、どこがいいか」。蜘蛛と巣がセットになったオブジェ。

作品は、まずまずでした。

まずまずじゃなかったのが、この展覧会の主催者のこと。

公益財団法人東京都歴史文化財団トーキョーワンダーサイト。長い!

どんな活動をしている公益財団法人か?

世界の若手クリエーターを日本に呼び、住まわせ、作品を作って発表してもらう。3ヶ月から1年間の日本滞在。このビルに個室とスタジオがあったのです。

いつから、そんな支援をしていたのか? 

2006年から、やっていたんです。「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」同様、1回じゃ覚えられない名前の事業は、深く静かに進行するんです。

日本の若手クリエーターも、同様に世界に飛び立つ。

滞在先が欧米というなら、わかります。驚いたのは、アジア、オセアニア、南米にも提携先があって、いつの間にか世界はアーティストの発掘・育成・サポートに熱心になっていた。

発表の場も、今回の3会場だけでなく、東京都現代美術館や都庁の壁も使われる。

28日には、国内外で参加したクリエーターが報告会をして、さらなる武者修行を呼び掛ける。美術は孤独な営為だけど、仲間がいれば刺激もあるでしょう。

受付には、今までのポートフォリオが整理されてました。壁には、現在日本滞在中の若手の顔写真や、世界のアートセンターの詳細も貼られている。

これを見たら、挑戦したくなるよねぇ。

今年10月には、アーティスト・イン・レジデンスの世界大会が国連大学で開催されるという。

国連大学の秘密が、一つだけ解明されました。