ロンドン大会で整備するのは何と何?

通っているプールは、どこも区が運営しているものです。

永年の運動不足と不摂生がみごとに体に反映されて、泳ぎ終わったあとは、ベンチで長い吐息を何回も。端では、これをクールダウンと称してますけど。

やや落ち着いて手持ち無沙汰になり、ロビーをうろついていると、ラックにはいろいろな市民スポーツのチラシがあります。

しごく多いスポーツは、しごくまっとうなもの。テニスだ、バレーボールだ、バドミントンだ、など。

格闘技系も多い。柔道、剣道、合気道。今から始めたら骨がバラバラになりそうです。スポーツ吹矢なら、できそうだ。

なぎなた教室もあります。僕が映画監督なら、これでドキュメンタリーを撮ってみたい。なぜ、なぎなたなのか?を追求したい。

ダンス系も多い。フラダンス、エアロビ。内容不明ながら「60歳からのチェアビクス」なら参加できるかな。宇多丸ラップでやると、60歳も元気になって楽しそう。

参加できないのは、社交ダンス。ダンスじゃなくて、社交というネーミングが、いたたまれないくらい恥ずかしい。参加者は、立派というか厚顔というか。

家にひきこもって、図書館から借りたDVDを見ました。

所蔵しているDVDは、基本古いものばっか。しかぁ〜し、残り物には福がある。題して「残り物名画座」。

今回は「民族の祭典」、1936年ベルリン・オリンピックの映画。才色兼備のレニ・リーフェンシュタールが監督しました。

過去、何回も見て、また見ました。

「民族の祭典」は前編です。聖火リレー・開会式・陸上競技・閉会式。後編に「美の祭典」がありますが、こちらはあまり知られてない。陸上以外の競技をとりあげている。

ナチが国威発揚に利用したベルリン五輪。それほど大事なイベント、なぜレニに監督を依頼したか?

実績がありました。

34年、ニュルンベルクで行われたナチの党大会を映画「意志の勝利」にまとめて、当時大成功をおさめたのです。「美の祭典」以上に、知られていないし、見ることができない。

僕は、アテネフランセで開催されたドキュメンタリー講座で見ました。興行でやったら、バッシングが起きるでしょう。現代では、タブーの映画。

戦後、彼女はアフリカ・ヌバ族の写真集を出したり、海のドキュメンタリー映画を作りました。

一貫しているのは、体への信仰です。動く体への洞察。そこに美しさがあると。

レニは、「民族の祭典」で不安にさいなまれる競技者の表情を捉え、人体に現れる心の高揚感・緊張感を、光と影で解剖して見せました。

陸上競技はゲーム性が無いので、どうしても人体を考えちゃいます。

そういえば、オリンピック自身が人間を考える最高の実験場でしょ? オリンピック映画監督は、未だに「民族の祭典」を必修科目で勉強しているでしょうね。

ドイツの高速道路・アウトバーンは、ヒトラーの公共事業で有名です。

「都市交通の世界史」小池滋著をパラパラ読みしました。ベルリン・オリンピック時の、ベルリン市の鉄道網が出てました。

近郊路線は、Sバーンというんですね。SchnellbahnのS。さしずめ、東急・小田急京急東武・西武・京成みたいなもの。

長距離路線は、行き先によって個別の駅を配置。しかも環状線があるにもかかわらず、ターミナル化しない。欧米の都市には、たいがい同じです。アクセスが悪いと感じないのでしょうか?

地下鉄Uバーンは、すでに8本通ってました。

市の西にある「オリンピックスタジアム駅」へは、U2号線で。ちなみにU2号線沿線は、資産家が住む路線で、彼らのイニシアチブで建設されたとのこと。

ところが、開業は1913年。ということは、五輪開催のために作った鉄道ではないでしょうね。

仔細に見ると、ウンターデンリンデン駅のみが1936年開業で、ほとんど、はるか昔に開業していた。

五輪を機会にインフラ整備をするのは、1964年の東京大会を含め、新興国のやること。

ウィルヘルム2世とヒトラーが世界に喧嘩を売りましたが、ドイツは新興国じゃなかったと、鉄道の歴史から学ぶ。