真近で撮って、レンズに泥かぶる
馬事公苑の塀沿いを散歩する。GWだからでしょうか、走っている人が多い。
「第41回 JRAホースショー」のポスターがかかってる。3・4・5日連続でやってるんですね。
4日は、なんと朝8時から「スピード&ハンディネス 中障害B」という競技をやっている。馬は早起きなんですねぇ。晩ご飯食べたら、すぐ寝るのかな。
9時半からは、「馬の様々な品種紹介」。触れたらしい。残念。
10時から、「チーム対抗」。1チーム3人馬で、これも障害飛越競技。
僕が見たのは、12時から始まったロングレーンダンス。人は騎乗せず、長い手綱を操る初歩の調教。手綱の動きで、あたかも各種ダンスをするように、足が前後左右する。
人の意思が伝わるロープ。不思議だ。
次に見たのは、レディース&ジュニア限定の「中障害C」。アナウンスを聞いていると、だいたい中学・高校生。
とはいえ、経験は10年前後。小学生の時から乗馬していたことになる。動物好きな子だったんでしょうね。おもちゃ変わりに、乗馬。
シロウト目にも、飛越の技術は馬と一体じゃないとできないとわかる。馬の息づかいが、真近で聞こえる。
全部で45選手が出場しました。見ていると、5人に一人ほどは落馬します。ギャラリーからため息がもれる。でも体が柔らかいので、すぐ立ち上がる。
飽きません。
そして、上位3選手で決勝。優勝は青のたすき。2位は赤、3位は黄色。騎乗のまま、かけてもらうシーンが優雅この上ない。
表彰には、シューベルト。
公苑は競技だけでなく、屋台あり、体験乗馬あり、アコースティックライブありで、大にぎわいでした。
「馬のくつ屋さんコーナー」あり。おわかりですね、蹄鉄作りを実演してました。学生時代に北海道をヒッチハイクして、蹄鉄を変える現場を見ました。
けれども、作るのを見るのは初めて。
断面長方形の鉄を熱する。橙色になると取り出して、円に打つ。それから、馬蹄形に整える。
また熱して、今度は溝をうがつ。最後に、溝に一定の間隔で穴を開ける。
これ、飴細工のようにやってます。左手はトングで蹄鉄をはさみ、右手は用途別ハンマーを打つ。コツでしょうね、このスムースな流れは。
アールの部分も、前足は丸く、後足は角張って鍛冶をする。左右の足も同じではない。つまり、すべてオーダーメイドなんだ。
日本には蹄鉄造りを教える、装蹄士の専門学校があるらしい。
「馬の爪に釘を打って、痛くないの?」と、誰もが感じる疑問が飛ぶ。
「人間でいえば、伸びて白くなっている所に打つので、痛くありません」。
蹄鉄を付け、釘は斜め外側に向かって打つ。釘先がはみ出すので、曲げて固定する。釘の頭は、スパイクの役割をする。
「この釘は、きれいですねぇ」。
「アメリカ製です」。3本もらう。
これも、きれいでしょう?
日本には、鞍のメーカーは1社だけで、出回っているのは基本輸入品。それも代理店経由だから割高になる。
「メーカーの日本法人だから安い」と、岡山に本社がある株式会社MEITI JAPAN営業部の畑さん。すべて、イタリアの革を使い、ドイツ製。
鞍、英語でSaddle。
左の黒はDressage Saddle。 シルクハットで正装して、調教を競う時の馬場鞍。くぼみが深い。42万円です。
障害飛越用の鞍は、Jumping Saddle障害鞍。くぼみがフラットで、ベロ状のあおりが前に突き出ているもの。
兼用で使えるのが、右の茶。All purpose Saddle総合鞍。約36万円。
経験者なら、これが安いとわかるの? 上から下まで全部そろえれば、だまって100〜150万円が必要でしょうか?
そして、馬も飼わなければいけない。言っときますが、猫を飼うのとは違うからね。
「中障害C」に出場したレディース&ジュニアは、やはり、坊ちゃん・嬢ちゃんと再確認する。
公苑内のギャラリーで、嬢ちゃんから漢字の読み方を教わる。
馬の口に噛ませる金属が展示されてました。プレートに「大勒銜」と、「水勒銜」。
何て読むか、わかる人?
・大勒銜 たいろくはみ H型をしてました。
・水勒銜 すいろくはみ 2つの輪がつながる。
古事記の時代の言葉でしょうか?
もう一つの「へぇ」。
ナポレオンがアルプス越えで冠っていた黒い帽子、絵画で知られてますね? あれを何と言うか?
日本名では、乗馬三角帽。フランス語では、Le Cadre Noirカドル・ノワール。寄席芸人の早野凡平が「ホニャララ・ホニャララ」と歌いながら、やってたでしょ?