ちょっと不安だけど「はじめました」

去年からこのブログを読んでもらっている方は、「またか」と思うでしょうが・・・。

とにかく、気に入って掲載して以来、忘れられない歌「冷やし中華はじめました」。大好きです。皆んなも歌ってほしい。

今年、初の冷やし中華の張り紙を見る。素通りできません。

山盛りのてっぺんには、桃が載っている。さらに、その上にはプチトマト。このアレンジ、「さすが、成城だなぁ」。

高級住宅街でならしている成城。今まで、10回来たか来ないか程度です。いったい、どれくらい高級なのか? 通りかかった不動産屋店頭パネルを眺める。

・平成24年度公示地価 現在の資産価値は?

住民には気になるんでしょうねぇ、買った時より上がったのか下がったのかが。

・成城6丁目 坪/241万円 対前年比ナシ
・成城2丁目 坪/195万円 対前年比97.5%
・成城8丁目 坪/186万円 対前年比97.7%

具体的なマンションでいえば、成城7丁目・徒歩11分・79平米の中古で4780万円。まず普通の高額で、超の字がつく高額ではなかった。

かつては武家屋敷エリアだった、といった地霊はありません。昭和戦前までの郊外住宅地を、「伝統」と呼ぶ落ち着きでしょうか。

その成城に、これから10月まで14回通います。世田谷区の砧支所がやっている、旅のセミナーです。

講師が、宇宙・農業・古典・食べものとテーマ
が広いのが気に入って参加しました。

でも、本日1回目はリラックスしてコメディアン・ダメじゃん小出さんの旅情トーク。すべりっぱなし、というところが可笑しいんだね。

参加資格は55歳以上の区民です。人生の荒波を泳いできた55歳以上ですから、笑わすのはタイヘン。無反応の空気が、なんとも楽しかった。

支所の廊下には、数々のチラシが掲出されてます。区からのお知らせ、集会所使用ルール、サークルメンバー募集。

中でも目立つのは、落語会の案内。なにしろ、ジャズ1枚に対して落語8枚ですよ。

「落語は心の薬膳料理。噛めば噛むほど効いてくる。気持ち包んで、今日もぐっすり」。

あぁ、年寄りをくすぐるキャッチ。なごみます。

セミナーは9人×5班に分かれ、僕はD班。

班内でちょっとした自己紹介も実施。男性メンバーは「寺めぐり」「野菜栽培」。僕にいたっては「ただよい・さまよい」。カゲロウのごとし。

女性は「サッカー」「スキューバ」「海外旅行」。どうでしょ、この意欲のズレ? これだけ生きる次元が違う。

解散後、隣に成城大学があったのでキャンパスを歩く。お坊ちゃん、お嬢ちゃんが通学している大学。学園創設者の澤柳政太郎先生の胸像。

銅像は好きです。

関係者にとって厳粛なものが、部外者とあまりに距離があるところ。ズレを妄想する、邪推する秘かな楽しみ。

ありました、掲示板に「居合同好会 メンバー募集」の張り紙。

・実際の切り合いを想定した技を演武し、力強さや正確さを競います。

僕がこれから行く「居合」って、そういうことやるのかぁ。

言われる前に、言っときます。

「居合」って顔してないのは、本人が一番承知してます。でも、とりあえず、もったいないから行くんです。

我が長男坊が、どんな青雲の志を持ったかは不明です。単に、会社外で何かやりたかっただけかも。

いずれにしても、12ヶ月分の受講料をまとめて支払って2ヶ月後、仕事の都合で行けなくなった。

「もったいないから、替わりに父ちゃんが行く」と宣言したものの、「居合」って顔してないから悩みました。

武道って、顔だと思うんです。

武道・剣豪・城郭・兜・家紋・武将・国盗り・火縄銃など、一連のその手に興味がない。ビジネス指南を戦国時代で語るやり口も笑ってましたし。

「居合」と「合気道」の区別もできないし。

でも、チラシの裏紙をメモ用紙にする性格ですから、残ってる受講料を捨て置けない。

1ヶ月ほどためらって、本日、初見参。

場所は、なじみの赤坂図書館の裏手。「図書館の帰りに、ちょっと寄る気楽さで始めてみよう」。

先生は、親切でした。ゆっくりと、ていねいで、やさしい。でも、腰が入ってないというか、おどおどしっぱなし。

流れる動作の中に、一瞬のメリハリ。もう、人生初。これほどトンマな入門者はいないだろうな、と勘ぐる。

まぁ、いいや。

「始める動機は、それぞれです」と言われて、少し気が楽になる。