骨から、生命を感じてもいいじゃないか
NHKのEテレでやった「Mポートレイト」をご覧になりましたか? 山本耀司・高橋幸宏の両兄さんが出演した回ですよ。
再放送もしました。よかったよねぇ。
人生初めての音楽体験から、最近気になった曲までのストーリー。
山本耀司さんのコレクションに高橋幸宏さんが楽曲を提供したり、高橋幸宏さんのステージ衣装を山本耀司さんがデザインする関係でもあった。のだ。
思い出の曲で出てきたのが、サイモン&ガーファンクルの「アメリカ」。2人とも若い。大いにせつなく&笑う。
玲羅ちゃんと友だちを見た時も、ニンマリしました。ゴスロリファッションが、東大・本郷キャンパスで見られたんですから。
彼女たちのちょうど斜め後ろの席で、講義を聞いてました。
山田昭順さん「『いのち』と『形』の物語」。総合研究博物館が主催する「生きる形」展で、7月21日まで続くレクチャーの一つです。
世に、遺体科学という学問があったんですね。
遠藤秀紀教授の専門。全7回のレクチャーは結構人気で、すでに4回落選。あと2回の当落は、これから知らせがきます。
遠藤教授じゃない方も、講義に立ちます。山田さんも、その一人。写真家で、専門学校のバンタンで教えてます。かつての教え子が玲羅ちゃんと友だちで、その縁で彼女らも出席していたわけ。
骨を撮影する写真家には、かのリチャード・アベドンがいました。上田義彦さんも撮ります。
山田さんは、藤井秀樹に師事して写真の道に入った。
NHKで東大の博物館の番組を見て、骨の美しさに目覚める。人体に骨写真を投影して、それを撮影し始める。その後、骨に人体を投影する仕事も始める。
おもしろいねぇ。動物の骨と、人間。
生とは何か、考えたでしょう。進化とは何か、本も読んだでしょう。
骨格のある部分は、ドームのようであり、壺のようであり、鉄兜のようでもある。動くための仕組みは、神が作った造形としか思えない敬虔さがある。
骨の展示は、博物館と同じ本郷キャンパスの伊藤国際センターの地階で行われています。
初めてミンクの頭骸骨を買ってから、僕が妄想していた風景がありました。
70種のほ乳類1000点の骨。
30分ばかり、直立して見てました。作ろうと思ってつくれないカタチ。ちょっと、動けない。
「肉食獣の頭骨は、意外に華奢です。草食獣の頭骨は、皮をはいでもそのままの形をしています」。
先ほど聞いた講義も思い出す。
光る色を刻々と変えるオブジェもありました。チラシに、協力:旭化成ワッカーシリコン株式会社とあるので、ここが作ったのでしょうか?
見る人を黙らせるアートです。
壁面には、同じ部位だけをネットに架けて展示。実物とその影が、命の輪廻を暗示しているようです。
見終わって、グッタリ。「冬の散歩道」を聴く。