森林の博士から、木と気を学ぶ
久しぶりに森林浴という言葉を聞きました。
森林浴の盛んな国・ドイツ。毎日、1日あたり45分から1時間歩くことが、医療の処方箋として確立している国。保養保険制度があって、保険金で保養できる国。
全部、農大の上原巌教授の受け売りです。「みんなの森」で代表世話人もやってます。
ドイツって、ありがたい国だねぇ。
世田谷区の「旅に出よう」セミナー、第4回目は「心とからだを養う森林の旅」で馬事公苑を散策。
自宅の隣にあるから、かえって行かない。そんなもんでしょ? 「森林の旅」とあったから、出向きました。
「世田谷通りから馬事公苑まで『ケヤキ広場』と呼ばれています」と、先ずはコンコースの説明。
現在は、緑のアーケードになってます。それは、ケヤキが成長すると手のひら状に枝を広げるのがわかっていたから。植える間隔も、それを踏まえてやったので、当初は住民から「淋しい」と不評だった。40年前の話。
40年後は、景観が表彰されたらしいです。
ケヤキは、公害の指標植物でもある。つまり、汚染を測る樹木。植樹計画したのは、農大の先生。
そうだったのかぁ。農学は時間の単位が違うね。
馬事公苑を入って、右手と左手の森林の違いをご存知でしたか?
教授に指摘されて、見比べる。右手は樹木の重なりがムクムクと入道雲のようです。「江戸時代からある、広葉樹の天然林です」。
ひるがえって、左手は植林した人工林だったのです。
森とは、「盛る」から来ている。林とは、「生える」から来ている。
もう、次から次に木の学び。とにかく、松竹梅しかわからないから説明を聞きながら見上げる。
・ムク、エノキ、シュロ 鳥の糞で成長します
・ヒイラギ 鼠除けから、魔除けの木と呼ばれてます
・バナナの木 木ではなくて、草です
・ミズキ 水を吸うからミズキで、ハナミズキとは違います
・コナラ 炭を作る木で、世田谷区の特産でした
・シラカシ 樫で、葉はお湯で煮て薬用に使われます
・ヤマモモ オスメスがあって、実はデザートで食べます
「これは、カエデです。カエデは、平安時代に「カエルの手」と出てきます」。
1億円の値がつくバイオリンのストラディバリウスは、カエデでできている。なぜ?
表面のカビが、音色を生むのだという。カビ様々。
公苑奥は、武蔵野の自然林。歩道が通じる。動物やカラスのねぐらにもなっている。
地上1mほどで、二股に分かれて伐採されている木を見かける。
「クヌギです。切って、株が成長して二股になりました。山でこれを見たら、人里が近いというサインです」。
昨日の台風で、枝があちこちで落ちている。
「ヒマラヤ杉です。杉の名前がありますけど、ヒマラヤにある松なんです」。
葉を煮出してエッセンシャルオイルをつくれば、アロマになる。松だから、松ぼっくりも落ちてました。習性で、拾って持ち帰る。
もう、見上げてキョロキョロしてました。
「森林浴は、脳波測定をするとストレス軽減に効果があることが実証されているんです」。
鳥の声や葉が擦れる音だけでなく、眼球を動かすことがバッチリ効く。
あし毛のポニーは、毎日森林浴だからストレス知らずでしょうねぇ。