観戦した時の年齢で、それぞれ違う

球場から帰宅した、ちょうどその時。下校する駒大高校の生徒たちとすれ違いました。

「そうか、地区大会の時期は、まだ夏休みじゃないんだね」。

自宅前は駒大高校生の通学路で、近所のコンビニなんぞは、彼らのたまり場。

地区大会が始まる前、彼らと話をしました。

「2〜3回戦までは、楽勝らしいですが」。バレーボール部員の言葉。校内の評判では、そういうことらしい。

6〜7回勝ち続けないと、甲子園には出場できないというから、たぶん道半ばで姿を消す。消える前に、1回彼らの勇姿を見てみようと、出かけました駒沢公園にある球場。

高校野球は、毎年夏の風物詩。

先日、30年振りに再会した「三姉妹だっち」陽子ちゃんの一人息子が高校球児だというので、ちょっと気になり出す。

もっとも、息子は1年生ですから出場しませんが。

やってる、やってる。大阪で仕事の帰りに、1回だけ甲子園大会を見ました。それとは別種の、ホームドラマのような試合。

選手も応援する高校生も、皆んな、頭クリクリ君。

バッターボックスに立つと、ボードが高く挙がる。表は名前、裏はあだ名。「ガリガリ君」なんてのもあります。

5〜6段の内野席しかない球場というところが、これまた地元大会らしくていいです。

そこに、応援団とチアリーディングと父母がギッシリ。あなどっちゃいけません。チアする女子高生の母まで、そろいのピンクの帽子を被ってるの。

かいがいしく冷茶を配ったり、息子の名前を叫んだり、陽焼け止めクリームを塗ったり。

5回のイニングで、駒大高が試合を決めたので、対戦相手・駒場学園のスタンドに移る。

駒・駒対決。

駒場学園って、駒場にあるんですか?」と、お父さんに訊く。なんと、世田谷区同士の試合でした。東東京大会だけで148校も出場するというからね。

6−0でゲームセット。

ベンチから出てくる選手たち。ボーゼンとしてます。悔しくて、泣いてます。

OBが、肩を抱く。あとからあとから、とまらない涙。

静かに一人佇むお母さん。

「残念でしたね。出場してたんですか?」。

「ライトをやってました」。

淡々と応える姿勢は、母親ならでは。むしろ父親のほうが、うろたえるかもしれない。

愁嘆場は、あとをひきます。名残惜しい、後ろ髪がひかれるとは、このこと。僕も、場を離れられない。

1試合見て、帰る予定でした。日射しもきついし。

でも、「プレイボール」の一声と、お約束のサイレンを聞いてません。そう、第一試合は15分遅刻したので。

で、引き続き第二試合も観戦。赤羽vs青井。

今度は都立高校同士の「あ・あ」対決でした。

第一試合とは、うって変わって、ベンチ入りした選手数もギリギリ。頭クリクリ君もいない。スタンドもまばら。

こんなに違うんだね。とはいえ、応援するお父さんの熱さに遜色なし。

「早打ちだけはするなよ!」

「アウトカウントを考えろ!」

「コーチャー、ランナーにちゃんと指示を出せ!」って、気分は監督。!!!に続く!!!

静かに見守るおじいさんもいる。孫観戦か、OBか。端正な姿だねぇ。彼の瞳には、どんな風景が映っているのだろう。

グランド内外で、忙しく動き回るボールボーイ。内野裏へのファールボールを回収する。

「この駒沢球場は、日体荏原国士舘の1年生がやってるんです」。

「毎年?」

「はい」

明日があるとは、君たちの言葉だよ。

球児に捧げる<これからショータイム>

・8月2日 東京オペラシティコンサートホール 18:00 学生¥1000 佐渡裕 ホルスト木星」他