去年、あなたはマリエンバードにいました?
先週は、なんで早退したのか思い出せないくらい、老化が激しい。
とにかく、世田谷区シルバー人材センターでやっている陶芸教室第3回目。
日曜の朝9時開始。バスを乗り継ぐ必要があって7時には起床する。7時ですよ。
1回目は、筆立て。2回目は、花筒。3回目は、小鉢。一々、作る名前が古老趣味。好きです。
筆立ては、いよいよ焼成に回す。
焼成前に、計測をします。「計測器」が泣けるの。タテ・ヨコ・高さ5cm刻みで目盛りがついている木の箱。今まで、たくさんの生徒の作品を計測してきたので、マジックで書いた目盛りがほとんど読めない。
なぜ、計測する必要があるか? 窯に入れるためです。大きいサイズの作品は、それだけ焼き賃も高いという次第。
ろくろでは、花筒と小鉢をいっぺんに作りました。
花筒は、赤い粘土で。小鉢は、白い粘土で。焼いた後の収縮率が違うらしいです。
いずれにしても、チョット粘土が余る。捨てるのがもったいないので、小物も作る。内容は、秘密。焼き上がるのが楽しみ。
どんどん、作りたいものが増える。例えば、蚊取り線香のブタとか、お面とか。そういうのは、現在の入門クラスではやりませんが、アイデアが次々と出てくる。
午後は、銀座で「残り物名画座」。
いつもの「残り物名画座」は、図書館から借りてきたDVDです。見るのは、自宅。拾ってきたゴミに取り込まれた自宅から、今回は銀座の、しかもメゾン・ド・エルメス10階。
20割ほど、気分が違う。もう、ここだけ別世界。
6月8日に、銀座エルメスのビルで「ヘンリー・ダーガーの謎」を見ました。
数年来、エルメスは無料で名画を上映しているのです。今年のテーマは「時の恵み」。そして、7月は「去年マリエンバードで」を上映してます。
名前だけは、聞いたことあるでしょ?
ヌーベルバーグのアラン・レネ監督が1961年に発表し、今に至も話題になる映画。
人妻が、恋人と逃避行するのか? しないのか?
内容は、そういうことなんですがね。映画の構造が複雑です。錯綜していて、現実か夢かわからない。
この時代は、実験的な映画がたくさん作られました。アンディ・ウォーホルも作ってました。
アラン・レネ監督は、その後も「ベトナムから遠く離れて」「アメリカの伯父さん」「恋するシャンソン」を発表。「マリエンバード」よりかは、わかりやすい映画です。
「薔薇のスタビスキー」は、よかった。
さて、男と女の話より、僕が惹かれたのは建築とファッションです。
離宮のような建物内装のバロック装飾。華美でなければ、込み入った物語が深刻になりません。そして、登場者のモードが、ゆるぎなく映える。
見終わって、ガラスブロックに1階の商品が映る。1枚10万円のスカーフが、ガラスのゆがみに波をうってました。
頽廃、虚飾、欺瞞はキレイだねぇ。