五輪の借りは、リオのW杯で返そう

関塚監督の肩に、雨が降る。

あぁ、時間がない。ここで1点返さないといけない。後半20分から終了まで、とうとうU23はカタチをつくれなかった。

準決勝メキシコ戦。1−3で破れる。もう、フォッシー振り付け「バイ バイ ライフ」の気分。生きていたくない。探さないでください、と書き置き残して。

ガックシ。サッカーは難し。

前半11分に、東から大津に渡ってゴールを決めたまではよかった。「これで、決勝に行ける」。

それから、シュートが続かない。

31分に、コーナーキックからファビアンのヘディング決まる。

これまで、無失点で来たので、これはこたえる。GKゴンちゃん、ボールを見送るしかなかった。

44年前のメキシコ五輪で、3位決定戦をやった日本とメキシコ。

開催国を退けて、勝ったのは日本。それは、日本サッカーが穫った唯一の銅メダル。一方、雪辱に燃えるメキシコ。両者にとって、44年後に巡って来たビッグチャンス。

後半もメキシコのペース。20分、GKゴンちゃんが跳ね返したボールが、間髪入れずに左上に刺さる。

いやぁ、うまいねぇ。

東に替わって杉本。清武に替わって宇佐美。扇原に替わって斎藤。

攻撃布陣になるも、やることがうまくいかない。何をやりたいのか、わからない。負ける試合って、こういうもんなんだよね。

なでしこに負けたフランスのようにシュートを打ってほしかった。火薬が次々誘爆するように。

雨の中、照明灯がつく。ロスタイムに、さらなる失点。ロンドンの火が消えた。

テレビでは、「7日から、立秋です」と言っていた。残暑の始り。

道路には、空からセミが落ちて来た。指でお尻を突く。すると、セミは途絶えた命をよみがえらせたように、また羽ばたく。

その距離10mほどで、また落下。

後を追って、またのぞく。今度は突かない。じっと見てました。バイバイ、ライフしたの?

バイバイ、ロンドンする前に、U23の諸君。3位決定戦は楽しんでほしい。サッカーを始めた少年時代のように。

相手は、もちろんブラジル希望。