大波を、さざ波で打ち消すなでしこ

これで、五輪TV写真は終わりかもしれない。

日本女子、まず、レスリングで大活躍。

昨日の小原・伊調に続き、吉田はやはり強かった。盤石でした。3連覇ということは、8年間チャンピオンということでしょ? 最初の金メダルのために、まぁ、10年間はトレーニングをやるでしょう。

都合、18年精進した。

できないことです。自分を活かすだけでなく、相手を活かす人格がないと、チームワークで取り組めませんから。

その吉田ですら、負けたことがある。その時、母親は娘に何と言ったか?

「あなたに負けた人のことを、思いなさい」。陶冶しないと、上に行けないと悟る。

浜口も、闘った。初戦で敗れる。

「まだ、レスリング・シューズを脱ぎたくないです」。金言だねぇ。

あらゆる競技で、勝者にも敗者にも、自己存在を問う発言があります。すごく、シンプルに。なんで簡単に脱ぐことができよう?

もう、見てましたね? なでしこ、アメリカに1−2で敗れる。

去年のW杯優勝がフロックでないことは、わかる。

しかし、それから1年。のりお監督の苦渋の跡が、にじみ出るような試合でした。

たぶん将棋指し・囲碁打ちと同数くらい、次手をシミュレーションしたでしょう。

アメリカに対抗して、ロングボールも蹴る。前半1点で抑えたのも、想定内に違いない。監督、平然としてました。

だから、見てる方も安心できる。

後半9分、ロイド2点目のミドルシュート。日本がエンジンをかけようとした矢先だった。これから、なでしこは45分の開始10分が大きなテーマになるだろう。

もう、何もかも違ってました。

高さ、スピード、玉際に強く、ダイナミックな動きでアメリカが上回る。わかりやすい強さ。

監督は持ち駒で10手先、20手先、30手先を準備しなければならなかった。

なでしこも決して負けてない。

何度、GKソロを脅かしたか? 彼女も「やはり、日本は打って来た」と、冷や汗をかいていたことだろう。

日本のパスの受け手からボールを奪っても奪ってもなお、いつの間にか、シュートしてくる。わかりにくい強さ。

沢、シュートを打つ。跳ね返って、大儀見ゴールする。

30分から、DF3人。ドリブルの強い選手を投入して、突破を目指す。

アメリカも、全員で引いて守ることをしなかった。国民性かな? 手薄な日本DFも失点しなかった。

試合開始前、沢はワンバックとハグをする。終了して、また2人は肩を寄せ合う。

勝者も敗者も、「まだ、スパイクを脱ぎたくない」のは同じでしょう。