あの大儀見も笑うなんて、事件です

スペイン映画「ハモンハモン」を、「残り物名画座」で前に紹介しました。

ハモンは、スペイン語でハムのこと。

気に入った映画だったので、おもわず「生ハムって、普通のハムとどこが違うんですか?」と売り場の人に訊きました。

普通のハムとは、加熱ハムのこと。処理法が違い、結果として味が違い、加えて保存期間が長い。

足付きの生ハムが10本ほど、ショーケースに並ぶ。

このカタチ、いいでしょ? 映画「ハモンハモン」では、このハムを振り回して男たちが喧嘩してた。重そう。ベンツのボンネットが、みごとにへこんでた。

輸入・販売しているのは、株式会社コダマ。

ドングリが好物のイベリコ豚。原生林で育ち、最高品質「ベジョータ」となる。

ハモン・イベリコ・ディ・レセボ24ヶ月熟成 8640gで217.728円。

そしてパルマ豚。こちらは、贅沢にもチーズや乳清を食べて育つ。

プロシュート・ディ・パルマ14ヶ月熟成 8880gで121.212円。

店頭では、スライスも売ってました。最高金額は、ハモン・イベリコ・ディ・ベジョータ24ヶ月熟成 100gで3.990円。

たぶん、高いでしょうね? 笑って踊りたくなるほど。音ならオシビサでしょうか。

しばし、冷蔵庫に秘蔵したハモン・イベリコ・ディ・レセボ24ヶ月熟成 8640gを、1ミリずつ削って食べる夢を見る。

笑顔は、連鎖する。

20日の銀座は、笑顔の満艦飾。ロンドン五輪メダリストのパレード。50万人が、ヒーロー・ヒロインを見て酔う。

再び、オシビサどうでしょう?

「航平、こっち向いてぇ〜」って、そりゃ航平もうれしかろ。笑わないなでしこ・大儀見も笑ってた。

19日に銀座に出かけた時、20日の凱旋パレード案内は無かった。

銀座松屋でハムを夢見て、次に向かったのが個展でした。銀座の「ゆう画廊」。

笠島彩子さんの個展。

春に多摩美の油絵教室に通い、その時、先生のアシスタントをしてました。

彼女は大学院生で、来年3月に修了し、いよいよ社会人になります。

学生時代に、最初で最後の個展開催。

子供の頃から絵を描くのが大好きで、ということは、20年ほど絵をやってきたことになる。

「こういう絵を描きたい」というテーマがはっきりしている。それは、20年やらないと決断できないこと。20年かぁ。今から20年後を想像する。

小樽に住む、彼女のおばあちゃんは99歳。上京するまで、たぶん同居してたでしょうから、もう他の絵とは全然違います。

血と水と空気で描いた絵。

そして、最後に出向いたのは、メゾン・エルメス ル・ステュディオ。舌かみそう。

「残り物名画座」。エルメスのビルでやってる無料映画会。今回は「魔法の時計の物語」。いつものように、受付でプログラムとキャンディをもらって見る。

1920年代、スタレビッチ監督の3本の無声映画を、編集で1本にしたもの。ティム・バートンテリー・ギリアムに影響を与えた映画らしい。

無邪気な遊び心。子供・おもちゃ・動物・果物をコマ撮りアニメにした映画。

3本の内、「歌うたいの少女」が気に入る。

零落した家の少女が、木箱を抱えて家出をする。中には、猿が入っている。手回しオルガンを入手して、猿回しをやって生活する。

知恵のある猿は、少女の家を没落させた男の家に侵入する。金庫から書類を盗み、めでたく少女は母と再会する。

猿はアフリカに渡り、そこでヤシの木の下で、子猿を相手に数学の先生になっていた。とさ。

このオチ。ハムも油絵も教わりたい。猿から数学も教わりたい。