秋からの緑道散歩が楽しみになる

陶芸教室で第1回目に作った筆立てが完成し、バッグに詰めて帰る。

教室の前にあるのが、盧花恒春園。案内板を眺める。「そうか、東に面して環八が走っているんだ」。環八をはさんで、千歳温水プールの図。陶芸が終わってから、ここで泳ぐのもいいねぇ。

もぅ、世田谷区長になれるほど区の施設に詳しくなる。

公園の敷地図を見ていて、「港区の青山霊園に似てるなぁ」と気付く。直線道路は、いかにも後世に貫通させた大通り。比べて、うねっているのが昔からの道。

バスが通る千歳通りまで出て、本日2つ目の案内板を眺める。とうとう、烏山川緑道の西側を発見。

京王線千歳烏山駅付近にあるのが緑道の西側。田園都市線・池尻大橋駅付近にあるのが、緑道の東側。これから東京湾まで、目黒川が流れる。

3月に緑道を知ってから、いつか一気に歩きたいと念願してた緑道。

盧花恒春園を縁どっている道も、緑道の一部と振り返る。うれしい。

千歳烏山駅まで、バスの停留所2〜3つ分の緑道を歩く。かつては田んぼが広がっていた。川は農業用水に使われていた。

音は、七尾旅人どんどん季節は流れて」。

短い距離に、すごい数の小橋。

中之橋・原之橋・粕谷橋・新大橋・栄橋・境橋・西之橋・雲雀橋・愛橋・南水無橋・盛橋・天神橋・千歳橋・北水無橋。

タゴサクや庄屋様、馬のアオが渡った橋。

と来りゃぁ、もう落語の柳家権太楼師匠「幽霊の辻」しかないでしょう。

・友だちから頼まれて、手紙を堀越村まで届けなきゃいけない。だんだん、薄暗くなってきた。「どの道を行けばいいんだ?」。茶屋のおばあさんがいたので助かる。

・「あんた、堀越村行きなさるかね?」と、早速道案内を始めるのだが・・・・。

・「水子池いうのがあります」。

夕方になると、あたりにネコ一匹いなくなる池。池に沈んだ水子が「遊ぼ、あそぼ」とささやき、村の子供たちが誘われるように池にはまる。「それでも、行きなさるかね?」。

・「小さな森に獄門地蔵」。

庄屋様の一人娘が、追いはぎに誘拐された。逆上した庄屋は、通りかかった浪人の首を草刈り鎌でチョン。真犯人が見つかったが、後の祭り。浪人の供養に立てた石の地蔵は、夜になると首が離れて通る人の頭をかじる。

・男。

「すると、堀越村に着くんだな?」

・「いや、父追(ててお)い橋がある」と、おばあさん。

カラス川の流れが急で、これは竜神様の怒りだとお告げがあった。ために、人柱が必要。村で一番の役立たず、茂十を人柱にしようと即決するも、茂十は危険を察知して逃走。「しかたあるめぇ」と、子が身代わりで人柱。

以来、「父(とと)よぉ、父よぉ」と、川から子供の声が聴こえて来る。

・男。

「そこを通れば、堀越村だな?」と、こわくて怒気を含む。

・「なに怒ってなさるかね? 先に行くと、首くくりの松がある幽霊の辻に出る」。

村一番の娘が、誘拐されて宿場女郎に売り飛ばされた。村にもどって来た時は、昔の面影今いずこ。はかなんで、松の木で首をくくる。たびたび、娘が手招きをする幽霊を見かける。

・男。

「これで、最後なんだろ?」と、へたりこむ。

・「ぽっくり寺がある」。

わかりずらい道だけど、間違えると寺に行く。「この前も、太郎兵衛じいさんが行っちまって、ぽっくり死んじまった」。

・男「どう行きゃ、いいんだ?」

・おばあさん「間違えなきゃ、だいじょうぶ」

落語一席分くらいの時間を散歩して、千歳烏山駅に到着。

烏山川緑道はこれで終わりじゃなかった。駅の北にある甲州街道。ここから「モッコウバラの小道」へ続くのだ。

炎天下、今回はあきらめる。

それにしても、緑道西側の目安がわかったので、なんとなく安心する。

東側の池尻大橋付近を歩いたのが、3月30日。

三宿神社がありました。植え込みには、プレートがあって一つ一つ花の名前が書かれてました。北沢川緑道との合流地点もありました。

人の往く、裏に道あり花の山。

住民も、つい油断して飼っていたオカメインコが逃げていく。あれから5ヶ月、もどって来たでしょうか?