やれば、思い込みは簡単に壊れる
サッカーのユーロ2012で、イギリス代表が敗れた時のこと。
「しゃあない(もちろん英語)、次はウィンブルドンがあるねん(ここでも英語)」というくらい、英国民はマリーに期待してた。
テニス男子。決勝で、フェデラーに負けたマリー。
インタビューを受けて開口一番。
「けっこう、エエとこまでいったんやけどねぇ」と泣く。センターコートで静かに涙を浮かべ、この時の無念さは瞬時に会場に広がって、大きな拍手がわきました。
国民は「しゃあない、次は五輪があるねん」となって、今度はフェデラーを下し、めでたく優勝したマリー。
それも終わって、現在は全米オープン開催中。すでにマリーは8強まで進出してます。
ウィンブルドンのように、会場名が大会名になるほどではありませんが、全米オープンの会場もそこそこ有名です。
ニューヨーク市クイーンズ区フラッシング・メドウにあるアーサー・アッシュ・スタジアム。
その前は、同じくクイーンズ区にあるフォレスト・ヒルズ。見ました。レンガ壁にツタがからむ、ヨーロッパっぽい施設。
意外でした。「テニスって、アメリカに似合わないスポーツだよねぇ」。国民性が粗雑だから。なのに、こんな伝統があったのか、という意外感。
テニスほど、イメージのあるスポーツはないでしょ?
広告にテニスが使われる意図は、優雅・ゆとり・高級・リゾート・おしゃれ・落ち着き・金持ち・セレブを言いたいがため。表象文化論。
去年夏は清里で、かつてのテニスコートを見かけました。夢の跡のようで、僕は、こういうの好き。廃墟好み。持たれているイメージと正反対。
ヘソ曲がりだから、「テニス、やろうかなぁ」と、これがそもそもの始り。
でね。
去年秋から通い始めた水泳教室。砧公園内の総合運動場にプールがあります。今年は、お正月から泳いでました。泳ぎ終わって、鼻水すすりながら隣にあるテニスコートを見る。
休憩中に訊く。
「ゴルフは運動になりません。カートで移動するから」。
ゴルフは接待の手段。顔色うかがい、ヨイショをするためのゴルフ。もみ手の「ナイスショット!」。売り上げのためなら我慢もできる。
負のイメージがベットリ付いて、ゴルフもかわいそう。
かくして、おじさん連中も、体動かしたきゃあテニスに向かう。なるほど、動きが緩慢でもいいんだね。
これが、テニスをやりたくなった理由第2弾。
かくして、「テニスって顔してないよ」と言われるのを重々承知で5日からテニスを始める。「初心者ソフトテニス教室」。
会場は、目黒区民センター庭球場。
葡萄棚に囲まれた、僕のフォレスト・ヒルズ。と言いたいところだが、残暑厳しき灼熱のコート。
ウィンブルドンでも全米オープンでも、休憩中に選手がバスタオルで汗を拭うでしょ?
あれって、「おおげさだなぁ」と感じてました。なぜ、ハンドタオルじゃいけないの? って。
わかりましたよ。初心者レベルなら、ハンドタオルで間に合う。世界ランキングのレベルなら、バスタオルくらいの汗をかくのが。
1クラスは20人ほど。教室の2時間、1人約15〜20分くらいしか運動しないでしょう。それでも、タオルでぬぐわないとデロデロ。
もちろん、着ているポロシャツもビショ濡れ。
どこの話じゃ? 優雅・ゆとり・高級・リゾート・おしゃれ・落ち着き・金持ち・セレブ。
終わって、区民センターの食堂でカツカレーを食べる。
クイーンズ区じゃなくて、ブルックリン区出身のバンド「アニマル・コレクティブ」を聴く。汗がひく。