キティちゃん、きれい・高い・細い
今年から、中学校でダンスが必修科目らしいです。体育の他にダンスなのか、体育の一部にダンスなのか?
学校の先生は、落ち着かない。「言葉は悪いけど、実験している」。
相変わらず、学校の先生は発想が貧しい。実験は、勉強として最高なのに。成果を約束されたものを覚えることが、勉強だと勘違いしてる。
「ダンスのことを『体を使った表現だ』という言い方をします」とair man。
えぇ。さんざ、僕もそう書いてきました。
「でも、それはダンスをやってない人。やってる人は、コミュニケーションと言います。感情のやりとり」。
現場の人の言葉だねぇ。しかも、稼業として永年の試行錯誤を経ないと出てこない言葉。
ダンスをやったことは、ありません。でも、見るのは、そこそこ好きだったんです。
1年ほど前に、「音だっち」ツネツネが送って来た曲。サカナクションの「バッハの旋律を夜に聴いたせいです」。聴いて、見て、なんて面白いんだろうと、言葉がなかった。
「バッハ〜」を振り付けたのがair manだとわかって、更にうれしかった。
赤坂ACTシアター「CHICAGO」行ってきました。
確か、去年の暑い時期も行ったなぁ。「コーラス・ライン」。年に1回、お盆のような劇場詣で。
チラシを見たら、16日まで演ってました。米倉涼子ちゃんを含めた、アメリカ版カンパニーの「シカゴ」。
地下鉄から、階段を上がると見えて来ました大看板。
世界で、すでに2千万人が見たミュージカルと誇らしげな文字。ロキシー・ハート役の彼女が、振り返って挑発的な視線をこちらに向ける。
背中がえぐれた黒レースのワンピースは、彼氏を殺して、成り上がっている悪女のアイコン。
席は満席。終わって、劇場の人に訊く。
「立ち見のお客さんも出ました」
「1階席で、ずっと立って見るんですか?」
立ち見って言葉が、懐かしい。立って見て、それでも料金は8000円って言ってたかな? 正確な値段は忘れましたが、坐って見るのとあまり変わらない。興行的にも、舞台は大成功だったんだ。
時代は、夜の大統領アル・カポネが活躍した1920年代のシカゴ。悪の華、咲き乱れる。
野球のベーブ・ルースがいて、空の英雄リンドバーグがいて、ヘミングウェイやフィッツジェラルドもいた狂乱の20年代。そして、跳ねっ返り女・フラッパー登場。
大好きな時代。
振り返れば、29年にウォール街で株の大暴落があったから、暗黒でシリアスな時代になる前の、ばか騒ぎ・祭り騒ぎの10年間。
ロキシーには、ライバルのヒロイン、ヴェルマ・ケリーがいる。2人の罪深き女。
悪徳弁護士も登場。弁護士は悪徳がいいよね。パパラッチに似たゲスさ。人の弱みにつけこむシロアリ体質。
女看守ママ・モートンの歌唱力、たまげました。歌っているのは、「魚心あれば、水ごころ」。人生の奈落じゃ、お互い融通を利かして助け合わないと。
女囚の監獄仲間も登場する。ろくでもない男とつきあったために、監獄に入るハメになった女たちの嘆き節Cell Block Tango。こんなにセクシーなら、僕も入りたい。
涼子ちゃん、体の大きさで、他のスタッフといいとこ勝負。ダンスも負けてません。歌もいい。
ブロードウェイの舞台は、もちろん見てません。本来は、ロキシー役は冷酷な女なのか不明です。
でも、今回は可愛らしさを武器にする女のしたたかさがあって、よかったよ。
ボブ・フォッシーの振り付け、スキャンダラスで冴えわたる。
終わって、ロビーをうろうろしてカンパニーのメンバー表を眺める。しばらくしてから地下鉄へ。階段の下、数人に取り囲まれて、メンバーとおぼしき一人と遭遇。
「サインしてください」。180cmはあろうかと思われる身長を折り曲げて、
Much Love to You Shamicka Benn-Moser "KITTY" CHICAGO
たぶん、Cell Block Tangoを演っていた内の一人かなぁ、キティちゃん。後ろ手に組んで2ショットもする。ウエストの細さを、手のひらが感じてました。
Have a nice TOKYO.
You too.