初めて見た、日本の馬術文化に酔う

22日は、馬事公苑で「第44回 愛馬の日」。

動物愛護週間に合わせた行事らしいです。お金持ちJRAですから、プログラムも目白押し。

競馬を除けば、馬術といえば西洋の上流階級のイメージが強いでしょ? そのとおりなんですが、かすかに日本にも馬の伝統が残ってます。

まず、流鏑馬(やぶさめ)。

神社でも披露されますね。馬事公苑では200mを超える走路に、80m間隔で3つの的。馬上から射る4人。4往復しました。

馬具は、革じゃなくて赤い布。これが、馬体に映える。騎乗する武者の装束と相まって、耽美な勇壮。このスタイルは、いつの時代なんだろうか?

起源は、第29代欽明天皇の時代らしい。天下泰平と五穀豊饒を祈願のが始り。以来、鎌倉・室町・江戸時代と続く。

現在は、「武田流鎌倉派」が古式弓馬術を伝えている。

馬のスピードとしては、あまり速さを感じません。ところが、あのウサイン・ボルトの速さで3的を的中させると考えれば、当てるのはすこぶる困難とわかるでしょう。

日本の馬術文化も、いいもんだねぇ。

次に見たのが、甲冑(かっちゅう)競馬。

平将門が、千葉県流山付近で野馬を追い軍事教練したのが始まりで、その後、福島県相馬に移って野馬追の行事となる。

これまた、馬の後ろ足に溜まったエネルギーが解放されて、奔しる。武者の背中に括られた旗指物が、しなる。

3レースやって、中川兄弟が1・2フィニッシュ。

相馬市では、7月下旬に3神社合同で盛大に甲冑競馬をやるというから、壮大でしょう。

旗の意匠が、また、いいんだ。日本の伝統紋様とおぼしき色と形。スピーカーで解説してましたが、家紋の呼び方を複雑にした感じ。

競技をサポートするために、馬場には大勢のスタッフが控えてます。

伝統馬事にふさわしく、古式衣装を着ている人もいます。EQUESTRIAN PARKというロゴの人もいる。調べました。EQUESTRIAN馬術の、乗馬の、という意味でした。

日本馬術文化、第3弾は母衣引(ほろひき)。

宮内庁・主馬班の2人の技官がやりました。めずらしい馬術です。

最初は、10mの母衣を騎手が体の前面に抱えこんで登場します。馬のスピードが序・破・急で上がっていきます。少しずつ母衣を後方に出していき、最期にすべてを出す。

馬上からたなびく2つの母衣が、アリーナでクロスする。なんとも雅な馬術

白と緑は、春を意味する。馬は雪桜号。

白と赤は、秋を意味する。馬は春藤号。

岩手県盛岡市からは、チャグチャグ馬コも4頭来ました。

旧暦の端午の節句に、農家の人が馬を美しい装束で飾る。装束には75個の鈴がついていて、これがチャグチャグと鳴る。民謡が流れてました。

見終わって、感じたこと。馬術は、馬が移動手段だった時代の文化なんだね。洋の東西を問わず。