もらったけど、ごめん「学だっち」

高校・大学が一緒の「学だっち」から、落語独演会の入場券をもらったので、楽しみにしてました。

三遊亭遊吉師匠が「お血脈」を演るというので。会場は、上野松坂屋前の「上野広小路亭」。

夜6時半開演でした。上野には最近行ってないので、界隈散歩しようと午後イチで自宅を出る。

まず、目指したのは「本牧亭」。講談の定席です。あちゃぁ、無くなってる。後刻、調べたら去年の9月に閉店。

そもそもの始まりは、江戸時代末期の安政4年ですよ。それが、ついに落城。安藤鶴夫が「巷談本牧亭」で直木賞を受賞した舞台が、とうとう消えてしまった。

もっとも紆余曲折があり、最後の本牧亭は平成14年にオープンした定席とはいえ、月に数回の公演をやっていたにすぎません。基本は、日本料理本牧亭でした。

講釈師も、他にタレント活動をやらなければ食えない世の中。

おおげさな、大時代の、漢字で再現できない口舌が好きだったんだけどなぁ。

台東区立黒門小学校は、まだ健在でした。

アールデコの校舎。11月にある大バザール「黒門まつり」に出場するのか、子供たちがバンドの練習をしてました。

柳家小三治師匠が会長の、社団法人落語協会のビルに向かう。

裏方の事務所です。ですが、上層階では「黒門亭」と称して、土・日限定の落語会を開いてます。10月13日で、2000回にもなる。ひところ、通いました。座敷の広間で、二つ目から中堅が出演する。

笑ったのは、「真打昇進披露興行」ポスターと共に、「緊急連絡体制」の張り紙が窓ガラスに貼ってある。どうして、連絡網を外にPRするの? 

湯島駅からUターンして、不忍池方向へ歩く。

日本画で使う岩絵具を売る「心正堂」発見。さすが、東京藝術大学の地元。

お酒の燗をつける道具を、店頭に据える店も発見。今どき、見ないです。「味噌坐 玉響」。

「なんて読むんですか?」

「『たまゆら』です」

「地酒と味噌料理の店なんですか?」

「味噌も全国から取り寄せてます」

「お店の外観も内装もシブイですねぇ」

「元は、下駄屋さんでした。NHKでアナウンサーをやってる水谷さんの実家でした」。

てな、小体の店もありますが、なんといっても、そこはそれ。都築響一兄さんが泣いてよろこぶスナックが群れるオトナのゾーン。

大ブレークしてる韓国のPSYの気分。

あやしくトキメク界隈は、フォーエバーでした。

肩がすれ違うほどの路地に夕陽が射し、いざ臨戦体制を整え中です。美容院も、かきいれ時。

新書サイズの、オールカラーページのガイドブック「DOKIPOKE J」を入手。地域も、上野・神田・秋葉原はわかります。なぜか、北千住・南柏・柏・松戸・八柱・五香・土浦・つくば・水戸・大工町・勝田と続く。

常磐線文化のフウゾク情報に特化しているところが、リクルート並みの本気さです。頼みますよ、お客さん。

内容は、以下のごとし。

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ちょっと疲れてきた。くるっと回って、中央通りに寄席の鈴本。はるか、松坂屋まで人の列。

誰がトリなの? と入り口に近づく。柳家小三治師匠でした。もらったチケットがあるので迷いました。

勘弁してちょうだい、「学だっち」。