銀座で、フランス南部を歩いてみる

冬眠の季節到来。

8月までに東日本だけで、クマの目撃情報が6千件というニュース。

理由その1

里山に人が住まなくなったので、おいらの生活の場所にちょうどいい。

理由その2

餌のドングリ不足で、人間が作ったトウモロコシやブドウも食べないと腹ペコになる。

理由その3

山に入って山菜や川魚を穫る人間を見かけないから、安心してのし歩ける。

場合により、人間を襲う。すでに34人が負傷。

対策その1

鈴などを身につけて、存在を知らせること。

対策その2

出会ったら、背中を見せて逃げない。動作に刺激されて時速40kmで追っかけてくる。

対策その3

「死んだふり」「木に登る」も効果なし。クマが興味を引く手荷物を降ろし、クマを見ながら後退する。

できるかなぁ? 来週あたり清里へ行こうと予定しているのだが。それより、ドングリ一抱えばらまいたほうが効き目ありそうだが。

おなじみ「残り物名画座」、またまた行ってきました。銀座エルメスビル「時の恵みシリーズ」。

今回は「ファルビークの四季」。

南フランス・アヴェロン県の農場の1年間を追ったセミドキュメンタリー。

1946年と、公開年が気になりました。

だって、農民が木靴はいてるんですよ。電気が通ってないんですよ。トラクターがないんですよ。第2次世界大戦が終わって1年目の南フランスって、こうだったんです。

ジョルジュ・ルーキエ監督は、民族誌学的な視点からこの映画を撮ったのでしょうか。

まず、巡りゆく自然。花が開き、さなぎは蝶になり、そして谷間が序序に影る様子。

出産があり、葬式がある。

2頭の牛が、畑をおこす。種を撒き、収穫をする。束ねて乾燥させる。脱穀して、粉を挽く。

小麦粉をこねる場面。3人がけソファほどの長さの桶に、水をいれて、こねるから重労働。ちぎってパンを焼く場面も、かたまり一つがマンホールほどある。巨大パンが次々と焼き上がる。

ダイニングテーブルには引き出しがついていて、パンはそこに収納する。食事の度に、薄くナイフでスライスする。

チコ&ザ・ジプシーズで、気分出してください。

柳田国男を思い浮かべながら見てました。これも、清里ぐらしを経験したればこその興味。

監督は、40年後に同じ農家で工業化した姿を映画にして2部作としたらしい。

プログラムを読むと、この映画は第1回カンヌ映画祭を始め、ヴェネチアやローマ映画祭でも受賞した作品でした。

コッポラやスピルバーグ監督も支持したというから、知らない映画監督は、まだまだたくさん埋もれている。あたりまえか。

終わって、銀座散歩。細かい道を選んで進むのは、毎度の習性。

前にチョコレート屋のイルサンジェの話をしました。フランス東部から直輸入されたチョコを売る店。いつの間にか、また店の前に。

両隣もチョコ屋。ピエール・マルコリー二は店前に行列。行列のなかったジョエル・デュランに入る。

路上で案内している男子「#×@&○%シルブプレ」とか、声が掛かる。店内では、女子がフランス語を唱和する。

そうとう恥ずかしいです。

なりきるのも適度にしないと、お客が敬遠すると心配する。

詳しくはホームページを見てください。とにかく、AからZまで26種類のボンボンショコラが待ってます。

5mm角くらいのを試食する。せめて1cm角のを食べたい。

「この蝉の置物は、トレードマーク?」

「いえ、お客様。フランスは、プロバンスしか蝉がいないので」。そうです、この店のチョコは、南フランスから直輸入されている。

不透明な日本の将来に、女子嗜好品だけは不滅でした。がんとして。