小海線途中下車して、鯉料理を知る
9月に続き、またまた小海線に乗り込む。
音は、Elle Varner。
高原列車ということで、車窓風景ばかり気に取られていました。今回、鉄道事情がわかりました。
全78.9kmに、31駅。ほぼ等間隔に駅が配置されていると思い込んでました。
距離の上では、小淵沢から佐久海ノ口までで半分。その間7駅。だいたい駅間5km〜7kmありました。
佐久海ノ口から小諸までは24駅。1km〜2km。
鉄道は南北に通ってます。北半分が、圧倒的に人口が多いということになります。
一方、南半分は駅の標高ベスト5がすべてそろってる。有名なのは、ナンバー1の野辺山駅です。
つまり、高原列車といっても、小海線は半分だけ山岳地帯を走り、あと半分は佐久市を中心とした平地だったんです。
路線のチラシを入手したついでに、不動産情報誌も入手。基本、北半分の情報しかありませんでした。土地・一戸建て・マンション・アパート・テナント物件。
南半分に多いペンションや別荘は、やはり非日常であって生活感はない。千曲川の源流がある信濃川上駅は、もちろん山岳地帯の南側。
なるほど、そういう地勢だったんだね。
石碑に、人間万事塞翁が馬、と彫られている。
幸福だなぁと思ったら、不幸がやってくる。惨めな日常だと思ったら、思わぬ幸せがやってくる。だから、人生は七転び八起き。中国の故事です。
これ、北半分の滑津(なめづ)駅から徒歩5分の旧中込学校にありました。
月曜日だったので、休館日。敷地には入れない。でも、柵外からでも、充分見学できました。
明治8年に建てられた、日本最古の擬洋風学校。八角形の塔が屋根から屹立してる。時間を告げる太鼓があって、「太鼓楼」とも呼ばれていた。
それにしても、ベランダの付いた白亜の2階建て。そうとうハイカラさんだったんでしょう。
この重要文化財のとなりに事務所棟があり、その建設費は、人間万事塞翁が馬を旨とする、ご当地のおばあさんが寄付したのでした。
南に向かって、中込駅を目指す。
門前に佇むおばあさん。これまた、年代ものの門。
「小諸から、ここに嫁いできました」と語る。今は、おじいさんと2人暮らし。2人の息子は近くで暮らす。
「お父さんが元気なうちに、立て替えろと言われていたんだけど」そのままになって、屋根裏部屋なんかは鼠の住処になってる、と笑う。
1階の梁なんか黒々として、居間に横たわる。時代を引きずって幾星霜。
千曲川の川岸に降りる。水量多く、流れも急。釣り人数人。
「にじます冬期釣り場 占用区」とありました。10月10日から2月15日まで。11月末日までは投網禁止。千曲川を大切に。
佐久漁業協同組合からのお達し。
そこから、「ぴんころ地蔵」を目指す。入手したチラシによれば、健康で長生きのピンピン。そして大往生のコロリ。合体して「ぴんころ地蔵」。
信州佐久地方は、長寿の里でした。住みやすい風土、新鮮な野菜・果物、昔ながらの勤勉さや信仰の深さ。それが、長寿地蔵尊がある理由。
お地蔵さんの前に、鯉料理の割烹屋さんがある。
佐久といえば、鯉料理。聞いたことありました。
メニューを読むと、種類が多い。鯉のあらい、だけじゃないんだね。うま煮、鯉こく、塩焼き、唐揚げ、鯉丼、内蔵も食べる。
千曲川に泳いでると思いきや、すべて養殖。江戸時代から養殖技術があったのだろうか? 記念の時の食事に鯉料理というから、やはり、高級食材なのだろう。
昨日書いた、直クンの地元。彼は、鯉料理を何回食べたのだろうか?
中込駅から清里駅まで、週刊で発行している「中込商店街だより」を読む。
宅急便で鯉料理を発送している店もあった。
※うま煮5切れ2500円を作るのに、約1.5kg2200円の鯉を使ってます。日持ちしません。冷蔵保存で3日ほどです。早めにお召し上がりください。
やはり、鯉は秋刀魚より高いんだ。