工作とデザインを感じたイケア


東京や千葉の町工場が作った、無人小型深海探査機「江戸っ子1号」。

試作機は照明器やカメラを内蔵し、まず、新江ノ島水族館で実験。30日には相模湾で水深57mの海中実験にも成功。
来年には、1000m級の海底探査を目指す。

海中考古学に興味があるので、期待するところ大。

も一つ、ニュース。

大田区の町工場が、ボブスレーを試作した。

1日に、国際工作機械見本市で公開。金属加工会社「マテリアル」の社長がトークショーもやるというので、問い合わせしたら「入場料は3000円です」と言われたので、あきらめる。

氷上のF1といわれるくらい。レーシングマシンを作る童夢も開発チームに参加してるから、ソチ冬期五輪は期待できる。

どちらも、町工場というところがミソ。

稼ぎの仕事が終わってから、職人の親方・若手が集まって世界最高峰を目指す。部活みたいで、いいでしょ? 

近所にも町工場はあります。訪ねる時間帯は、お昼休みか夕方5時ころ。金属のこと、加工のこと、いろいろ教えてくれる。

中でも、道具・機械はうっとりします。部品をあてがうために使う、ちょっとした木片なんぞも、熟練者ならではの工夫。

「工作、工作」と言い続けて2年。

「何、作ったの?」と問われるのが、一番つらい。散歩する → これは何かの部品に使えるんじゃないか? これの繰り返しで、他人から見るとクズが溜まるので。

例えていえば、こういうのやりたいわけ。

役に立たない工作。

この人、イングヴァル・カンプラードさん。Ingvar Kamprad。育った農場がElmtaryd、村の名前がAgunnaryd。IとKとEとAをつないで、IKEAイケア。

1970年代は、団塊の世代が社会人になり、結婚し、子育てをした。もちろん、従来の婚礼箪笥も売ってましたが、イケアの家具を買うことが新時代の幕開けでもあった。

今じゃ、安い家具の代名詞。

初訪問するも、最初からつまずく。

田園調布から送迎バスが出てると聞いて、10時半3分前に到着。運転手に「40名しか乗れません」。座席数ピッタシ以上は、乗れないルール。

立つのは、不可。

僕同様に乗れなくて、うらめしい顔をした客とぼやき合う。

しかたなく、東横線とバスを乗り継いで到着。スウェーデンのナショナルカラーの紺と黄色ビル。

Hej daへイドー。スウェーデン語で「さようなら」のことをこう言います。

どうやら、出口らしい。巨大倉庫で、入り口が反対側にでもあったら歩くのが大変だから、そのまま入場。

まず、目に入って来た新聞の山。感動しました。買った商品が割れ物なら、自分で包む。古新聞なのですが、読まれた形跡のない、新品の古新聞。付近の販売店から、大量にもらい受けたのでしょうか?

レジを逆行すると、巨大倉庫に見上げるばかりの家具の陳列。日本の空間感覚には、ない広さ。

安さに、目を剥く。

タグを見ると、デザインはスウェーデンであることを強調した上で、Made in Chinaと印刷してある。

世界第2位のGNPを実感する。中国を、日本との関係ばかりで見ると、誤る。「ユニクロがデフレの元凶」などとトンチンカンなことを言う評論家は、一回、ここに来たほうがいいよね。

そしてまた、今の中国は1970年代の日本に重なって見えました。

イデアを盗み、真似をし、安い商品で世界から鬼っ子扱いされた日本。品質とはいうけれど、それは例外的な商品に限られる。

この日、唯一買ったこのフタ付きビン、いくらだと思います?

199円。セレクトショップなんぞで買えば、10倍します。

も一つの収穫は、紙のメジャーとちびた鉛筆。タダでもらえます。これをバッグに入れておけば、散歩でクズを拾う時に重宝します。測量遊びにちょうどいい。

「イケアの故郷、スウェーデン西海岸のボブスレーン地方の生活には、ボートと漁がありました」。魚、カキ、エビ、ロブスター。サイクリングやセーリングも楽しむ人々。

オーボエが似合いそうな所だね。

ボブスレーは、ボブスレーンから始まったのか?