布団の下から、オペラが出て来た
捨てられない情報が溜まって、困ってます。
そもそも、不必要な箇所があると我慢できないタチで、何でもすぐ切り抜きたがる。ところが、ハサミを使いません。
ちぎる。
結果、切れっぱしが脈絡なく溜まる。もとい、セロテープで関連したものをまとめる日もある。でも、読んだそばから興味のあることをちぎるので、まとめが追いつかない。
人は、これをゴミと呼ぶ。
カタチにならないので、畳に浮遊する。かたずけると更にわからなくなるでしょ。だから布団を敷く時は、そのままの状態で上にかぶせる。へりは、当然めくり上がる。
段ボーラーおじさんのほうが、まだしもフラットな面で寝ているのではないか?
出てきました「日活映画の100年」のチラシ。今年、東京国立近代美術館フィルムセンターで展覧会やってました。
1912年9月10日。日本映画界の黎明期、4つの会社が統合して生まれた日本活動写真株式会社。日活誕生。大手5社の最古参。
8月から、毎月1回講演会をやってました。出かけました?
8月は、向島撮影所の時代の話。9月は、京都撮影所解説。10月は、多摩川撮影所。11月は、戦後の日活。12月は、ロマンポルノ。
すべて、なんかの事情で欠席。
東宝の映画は、明るくて楽しくて、金儲けもうまそうでしょ。
対して日活は、子供心にも「しがねぇオイラの、ちょんの間の遊び」で撮った映画という印象がありました。
素性のあやしい連中の吹きだまり。石原裕次郎、小林旭、宍戸錠、浅丘ルリ子。饐えた感じに、オトナのリアリティがあってよかった。
革ジャン、ジャックナイフ、サングラス、波止場、ナイトクラブ。
西洋人からみたら似合ってなくて滑稽なんでしょうが、少年だった僕は、すべて道楽者、放蕩児のアイコンに見えてかっこよかった。
裕ちゃんの「いかしてるぜ」なんてセリフを思い出したついでに、切れっぱしのとなりにあった本を取り上げる。
図書館も毎月テーマを決めて、数冊の本をカウンターに置く。12月は「第九」関連で、クラシック本。その中の一冊に「ワグナー〜」があり、第6章を読みたくて借りました。
「ストラビンスキーの『放蕩児の遍歴』」。
オペラです。1951年完成というところが意外でした。原語が英語というのも意外でした。19世紀の、ヨーロッパ語がオペラだと思っていたので。
アメリカに住んでいたストラビンスキーが、ホガースの銅板画からインスパイアされて作曲した。売春宿で遊び、破産する放蕩児の連作から、オペラが生まれた。
芸術とありがたがる前に、感情の発露を素直に見てみよう。今年は、かじり始めてオペラ元年だった。
「春の祭典」も、いいよ。