125回も続いていた朝日名人会
寄席以外で、メジャーな席といえば朝日名人会でしょうか。
姉から「行けなくなったので」と、タダ券が回ってきました。柳家三三(さんざ)、柳亭市場、五街道雲助。
落語の席は、たいがい出演者の名前だけを発表します。本来、落語はそれくらいのんびりした演芸なの。なりゆき、その場の流れに、観客はゾロゾロついていくだけ。
よそ見OK、買い食いOK。うたた寝するには最高の場。
いつの間にか伝統演劇になってキッチリ進行するようになり、朝日名人会は先端を行ってネタも事前に発表する。
安心はするが、行ってみなければわからない楽しみは無くなる。
・「ろくろ首」柳家三三
「左様、さよう」「御尤も、ごもっとも」「なかなか」。3つの相づちがあれば、会話は成り立つ。現代でも通用しますね。
むしろ、これ以外によけいなことを言うから、カドがたつ。相づちをうたれたほうは、気持ちを「共有できた」と満足する不思議。永遠の金言だなぁ。
・「淀五郎」柳亭市場
歌いませんでした。歌うと「真面目に落語をやれ」と険しくなる客層だからでしょうか。
兄さんちょいと太って、貫禄が出てきました。清々しさは変わりません。
ご存知、仮名手本忠臣蔵四段目。判官切腹の場。九寸五分の短刃が腹に入る、悪寒がする。これで最期という刹那、大星由良助が花道から登場。
本物の歌舞伎を見てみたい。
暮れネタの定番「文七元結」。名人と呼ばれる人々のを聞いているので、やはり食い足りない。
貫目が違う。
雲助師匠は、気質からいって人情噺より武家噺のほうが似合います。武張った口調ですからね。
吉原のおかみは、色で染まった義狭の人。そういうおかみが、昔はいたんだろう。再現するったってサンプルが絶えて無いんだから、演じるのはつらい。
がらっと趣向を変えて、ヘドウィグを聞く。