情けない人生の、静かな結末フォリーズ
ネットで調べれば、スケジュールはわかるけど、やはり、ここは紙のほうが気分が出る。
Blue Note Tokyoの情報誌。入手したものは、12月〜1月のスケジュール。チャールズ・ロイドが表紙を飾る。1月4・5・6日に公演してました。
ピアノはかっこいいでしょう。サックスも、負けじと渋くてスタイリッシュだよね。
「わかっちゃくれない俺だが、ほんとの俺はこうなんだぜ」と語るような楽器。男子専科の楽器。おじょうずが言えないような音色。
チャールズ・ロイドは、身長が2m近くある。
「これはこれで、タイヘンなんだ。ベットの長さが足りない時もあるし、飛行機に乗ると脚の置き場に困る時もある」。
野放図さがかわいいよね、こういうシーン。
ページをめくっていくと、ジェフ・ブラウンも出てきました。
生まれも育ちも、N.Y.ブルックリン。
去年から、だらだらとポール・オースターの「ブルックリン・フォリーズ」を読んでいたので、目をひく。
Follies、単数ならFolly。翻訳の柴田元幸さんのあとがきによると、「愚行」の意。これが複数形になると、歌と踊りが評判の演芸場の出し物。
場は、箸でお茶碗たたくよりも100倍大げさな、肉感的な乱痴気騒ぎってことでしょうか。
あとがき、続き。
「自分の人生が、何らかの意味で終わってしまったと感じている中年男の物語」3作目。
映画「スモーク」で感じたのと同じ、下町人情物語。
大げさな乱痴気騒ぎは無く、箸でお茶碗たたくような「ゆるさ・ぬるさ」があるフォリーズですから、グイグイ読み進みたい一方で、なるべく終わりがこないようにグズグズ読みもしたい。
とうに、図書館への返却期間は過ぎてます。
16日、今年の初夢は自分が主人公のネイサンになって、町の人々とやりとりをしているシーンでした。
「いやだいやだ」「あり得ない」、と同時に「もう一泡ふかしたい」「にっこり笑う」の慰めが交差する物語。
ブルックリンは、落語の長屋と同じだった。