いっそのこと、正式入学しちゃおうか

・三代将軍の松

という看板を読んでました。

・このゴヨウマツの盆栽は、徳川第三代将軍家光遺愛の松と伝えられ、明治のはじめ、上野車坂の小山田嘉吉氏が入手した。後に本校創立に際し、東京府にて購入し、本校に移管された。樹齢460年をこえる。

最初は、こんな巨大なものが盆栽とは思いませんでした。鉢からして掌サイズで、大きなものでも50cm程度のものが盆栽のイメージでしょ?

2m程度ありそうな鉢。それが台車に乗っている。レールがあるということは、天候によって屋根のある場所まで引っ込めたり、押して太陽にあてたりするってこと。

浜離宮にも、門を入ってすぐに何代将軍が忘れましたが松があるでしょ? 大地すれすれに、龍のようにうねる松。

一方、こちらは盆栽だから、成長しません。でも、枝振りはシロウト目にもご立派で、これを枯らしたら「切腹申し付くるものなり」という上意が似合いそう。

回りには、生徒たちの盆栽作品が並ぶ。

素直に鉢に植わっているものがあります。石を穿って、植えてあるものもある。苔を敷いたり、白石を敷いたりの作品もある。

おもしろいねぇ、盆栽を本校の高校生がやっている。

本校って、何?

東京都立園芸高等学校。世田谷区・深沢にあります。日体大の隣。駒沢通りに面してますが、それは裏門。正門はキャンパスをぐるっと回って真反対。

そこは、園芸高校ですから敷地が広いの。

園芸科・食品科・動物科の棟の他に、プール 付属室 変電室 堆肥舎 温室 ボイラー室 武道場 体育館などの建物。生産品払い下げ所なんてのもある。 

運動場 実習場 農場 果樹園 中庭 噴水 西洋庭園 日本庭園 バラ園完備。

こりゃ、農大のジュニア版か? そんな都立高校があったのだ。

歩いて歩いて正門にたどり着く。

1人10分の面接試験を受けに来ました。「バラ園 緑のボランティア」になりたくてね。ここで、高校生の授業に混ざって1年間バラを勉強する。

型どおり、志望動機を訊かれました。「デパートの高島屋がバラの包装紙で」なんて、応募者全員の中でサイテーの答えをしゃべる。

5〜6人の募集に、30人が応募したから、まず受からないよなぁ。

出会った応募者と話をする。「テレビの園芸番組を見ていて」とか「趣味でベランダ園芸やってます」とか、土台が違うんだから。

面接官も、「こいつは落選」と決めたのか、のんきな雑談にシフト。「西洋では、花といえばバラなんです」。そうなんだ。日本でいえば、桜なんだね。

Red赤の語源は、Roseから来てます。と、向こうもウンチクをとうとうと話す。

受かりたいから、なんとか軌道修正してまともなことを発言したかったけど、修正不能で時間になった。

バラ園、覗いてみました。冬に咲くバラってのは無いんだね。花屋で売られているのは、温室育ちのバラなのか。

高校生と一緒に学んで遊びたかったよ。アンドレス・セゴビア。ギターの神様は、バラの名前のようだね。