英語ができなくても、センスは誰も
わからない時に、「どうして?」「どうすれば?」と訊きますね?
初対面なら「ちょっといいですか?」と添えるでしょうか?
ニューヨークの喫茶店で、わからないことを友だちに尋ねる。彼も知らず、すかさずウェイターに”I have a question”ときたもんだ。「あのぉ、すいませんが」あたりのニュアンスは、無し。
こっちが客だから、ぶっきらぼう・フランクでもいい? ブランディ。
大事な取引先相手なら、”May I ask you a question?”と、なんだか教科書で習ったようにするのが常識? それが、普段語が話せない日本の英語教育・・・という話は、こっちに置いといて。
「ブログだっち」ジンファンデルさんは、アメリカ料理の先生です。英語の先生でもある。
・英語では"before I forget"と言うので、日本語でも「忘れる前に」と今まで言っていました。
使います。特に相手に強く念を押すニュアンスの時なんか。ところが、
・日本に長年住んでいるアメリカ人の旧友のビルに、「日本語でそういうのはおかしい。『忘れないように』だ」と言われました。
ビルは、翻訳者になれるかもしれない。ジンファンデルさんの言い方もあるので、ややこしい。
「『編集手帳』の文章術」竹内政明著を読んでて、久しぶりに言葉のおさらいをしてました。
読売新聞の一面下段コラム「編集手帳」を書いている人の文章心得です。
「社説」とは際立った違いを自戒してました。「社説」は、刑事コジャック型。「編集手帳」は、警部コロンボ型。奇しくも、アテレコは翻訳家の額田やえ子が一人で担当したそうです。
Come on!
コジャ:早くこい
コロン:こっちこっち
Let me see that.
コジャ:見せてみな
コロン:ちょっと拝見
That makes sense.
コジャ:筋は通ってる
コロン:ごもっともです
Hold it.
コジャ:待て
コロン:あ、そのまま
You gotta be kidding.
コジャ:なめるんじゃねえよ
コロン:ほんとですか、それ
もう、使い分け名人のお手並みです。
明治期に西洋言葉をどっと輸入した時、当てたのは漢語。伝統は今に続き、和語から見ると、堅くて・杓子定規で・気取ってて・インテリで・理屈っぽくて・攻撃的で・概念的で・事務的で。
「発展途上国」とか、「あらゆる選択肢を排除するものではない」とか。
簡単に、直訳と意訳と言えないのは、漢語の思考スタイルが生活に入っているから。
ジンファンデルさんが、"before I forget"話したかった内容は、スケートボードのこと。糟糠(そうこう)の妻も最近知った、旦那さんの青春時代「ちょっといい話」。
お互い、あるよね。