彼、娘2人。いつも携帯してます
・20年振りの再会、久しぶりで懐かしく思いました。
2月26日に渋谷で会って、翌日のメールが「中学だっち」富岡君から来ました。10年振りだと思ってましたが、20年振りだった。
それでも、会えば一目でわかるもの。
・よく、2階の部屋でゴロゴロしていましたね。今はあの頃のものが、すべて亡くなってしまいましたが。
彼の家は2階建て。僕の家は平屋だったから、それだけでゴージャスに映った。一人っ子だから、2階がまるまる自分の部屋。対して僕は4人姉弟だから、自室がなかった。
・あれだけ毎日、会話をしていたのですから。それなりに、人生に影響があったのかもしれませんよね。
ほんと、何を話していたんでしょう? 無性に知りたくなる。今の現役中学生はわかりません。スロー感のあることは確かだと思う。
別の高校に進学しても、彼の家でゴロゴロしてた。
「これ、見て」と、彼が本を差し出してきた。「決して忘れはしない We have not forgotten」。
ナチがヨーロッパ占領地で繰り広げた処刑の写真集。市街地での暴行・逮捕シーンから始まって、銃殺・絞首刑、そして収容所の内部。
とにかく驚いて、声が出なかった。
英文タイトルまで鮮明に覚えているのは、英語の授業についていけず、現在完了とか過去分詞とかが「なんじゃ?」だったからでもある。「こういう時制に使うんだ」。
2013年に、彼がスマホから出した写真は、うって変わってハッピーな写真。
嫁いだ2人の娘の写真。
もう、結婚式当日の父親の心境が手にとるようにわかるもの。照れずに、自然に見せる所作が娘の父親だった。心に咲く花なんでしょう。
水やって、少しでも太陽の光が届くような場所に置いて、どんな形や色になるかの楽しみ。
いつも、そばで見ていたい。
僕は、息子2人なので、この気持ちがわからない。いや、部屋に飾るくらいはやります。携帯はしません。
男というのは、花に対して根なのかもしれない。モノゴトには、根っこがある。3年5年10年に1回、いざという時に存在に気付かれる。
乃木坂にある国立新美術館で、東京にある5つの美大が連合して開催した卒業・修了制作展。
彼女は、確かルーベンスが好きだと言ってた。違ったかな?
この男の背中。この力感は、根っこだよなぁ。背景のような広さは、人に安心感を与える。子に、振り返らずどんどん伸びて行けと言う。