墨入り壷と小筆を持つアランさん
ニューヨークで日本人の書道展がありました。ジャパニーズ・カリグラフィ。
え〜っ、と驚きました。カリグラフィといえば、パーティ招待状なんぞで使われる、流麗なアルファベット書体のことじゃないの? 文字デザインを、おしなべてくくる言葉なんだ。
思い込んでいたのは、習字だった。書道となると中国が源流で、臨書する人の数は日本の比ではないでしょう。
僕は、デザインから日本文字の美しさに近づいていきました。業界ではタイポグラフィといいます。
・谷中に住むアメリカ人の日本画家、アラン・ウエスト氏をご存知ですか? ワシントンDC出身で、芸大大学院で日本画を学びました。もう10数年来の付き合いです。
外国人観光客のガイドをしているジンファンデルさん通信。
・アランさんは18歳の時に来日してから、30数年たつので、流暢な日本語を話します。その上、所作が凄く日本人なのです。いつも作務衣スタイルで、アンティークの墨入り壷と小筆を腰にかけて、外でのスケッチやメモをとっています。
僕も、散歩途中でアランさんと話をしました。外国人が感じる日本らしさの案内にかけて、彼女はプロ。
・相撲の武蔵川部屋(現藤島部屋)の朝稽古を見学させてもらいました。
見たことないねぇ。
・案内する顧客は、アート関係やMOMA等の美術館やガーデニングデザイナーが多いので、イサム・ノグチ氏も人気です。青山の草月会館のイサム・ノグチの石庭には、良くお連れします。
そうか。ガイドにも種類があって、ちゃんと志向に合わせて案内するんだね。
・香川県にあるイサム・ノグチ庭園美術館にまで訪れる方もいます。
関心があれば、どこまでも行っちゃう。僕も行きたいなぁ。
銀座のポーラ美術館にあった花。「草月の方の作品です」と説明される。花を、無常ではなくエネルギーと捉える。
でも、どこか日本的。