何本、マイクを用意すればいいのじゃ

フジテレビのプロデューサーが、「番組ではクチパクしません」とブログに書いたそうです。

もう、昭和30年代からあったクチパク。当時は、音響機器もヘタレだったから、あからさまに音とクチが合ってなかった。

友だちにはテレビ番組制作会社の社長もいるので、クチパクをやめたら経費かかるだろうなぁ、と気をもむ。

まず、圧倒的に多すぎる歌唱力不足の歌手。

次に、ソロシンガーでなく、一山なんぼのグループが多い。

そして、ダンスやトークで見せる歌手が次から次にデビューする。

最期に、「絵を変える」ために屋外中継する。

音を拾うには、どんどん難しい条件になってくるんです。聞かせるんじゃなくて、見せるための音楽シーン。

今年1月のオバマ大統領就任式でも、ビヨンセがクチパクしたという。なぜ、いけないのかわからない。

その4年前にも、オバマ大統領就任式ではヨーヨーマがチェロの演奏しました。この時も、楽曲に合わせて楽器を弾いたふりをする「当てぶり」と話題になりました。

そもそも、チェロは室内楽器なんでしょ? 音が繊細でしょ? 静かに聴く楽器でしょ? 寒風ふきすさぶ、ざわざわと高揚する場で演奏する楽器じゃないよ。

オバマらしさを演出するために、ヨーヨーマは必要だったと、セレモニーのディレクターは考えた。式次第をつつがなく進めるには「当てぶり」しかないでしょ。

テレビも就任式も、要はタダ見。

うまいところも、失敗したところも、ほんとに曲を聴きたいなら、お金払わないとね。

奇妙礼太郎兄さんのライブ、よかったよ。

最近、マイクを買った僕だった。