避けていた場所は、かつてと同じだった

東急プラザにある紀伊国屋書店は、よく行きます。

けっこう広い売り場ですが、分野別に足が向かない書棚もある。厳密には、避けてる。だれにも言えない。

こういうの、トラウマっていうんだね。法律書のコーナー。

無自覚で法学部に入学。大学生協で、六法全書を買う。極薄の紙の束で、枕になるほどの厚みがある本を見て途方に暮れる。

「好きじゃない」とさとった瞬間。

なんとか、気をとりなおして紀伊国屋書店に向かう。

憲法の棚。

背表紙に「事例研究 憲法」「危機の憲法学」「時代を刻んだ憲法判例」なぞ並んで、ますます身から遠いなぁとさとる。

となりに、民法の棚。そのとなりに、刑法。それぞれに訴訟法が存在する。あらゆる行為に法律が存在するとわからせる、細則。

手に取ることすらなく、結局六法全書も開かなかった18歳。数10年ぶりに再訪。

入り口を通って正面奥にある法律書の場所は、今も変わらなかった。Once upon a time in bookstore.

なごり雪だなぁ。

春分の日。風は強いが、たいぶ暖かくなりました。

背表紙を見ていると、気分がスースーしてくる。

東横線副都心線がつながって、街はにぎやかなのに。