今は昔、○○となむ語り伝へたるとや

・遊びをせんとや生れけむ、戯れせんとや生れけん

聞いたことあるでしょ? 平安時代末期の「梁塵秘抄(りょうじんひしょう)」。後白河法皇が遊女から聞書きした歌謡集。

後白河法皇。流行に敏感で、今ならAKB48を追っかけてるような人。after白河法皇がいるなら、白河法皇もいたはずというのは薄々ね。

いました。

今昔物語集」が編纂された時代が、白河院政の御代だったんです。賀茂川の水、双六の賽、山法師だけは意に従わなかった、というくらいのワンマン。平清盛の父。

「今昔」は、白河法皇が中心になって制作されたという説もあれば、僧侶という説もある。

全31巻。インドと中国の部が、それぞれ5巻。残り日本の部は、仏法部が10巻で、世俗部が11巻。つまり、基本は仏教説話集だった。

「今昔物語」安西篤子著。女性作家が、古典ゆかりの地を旅する12巻の内の1冊。

彼女が取り上げた土地は、安珍清姫など男女のものが多い。「今昔」は、芥川龍之介羅生門」「鼻」「芋粥」の原典という思い込みが強いでしょ? 調子くるった。天狗・盗賊・武士・妖怪ものの土地が読みたかった。

王朝継ぎ紙研究会の作品が、装画に使われてました。王朝継ぎ紙とは、平安時代に始まる和紙工芸。日本伝統の色紙に、草書サラサラ。金銀箔が散らばる紙もある。

たおやかな気分になるなぁ。

今は昔、ジム・クウェスキンなるルーツ・ミュージックのバンドありける。