徐園さん、中国にもGWはあるの?

知らんまにゴールデン・ウィーク途半ば。風、薫る5月。薫風の中、子ども漫画を見る。

「子ども漫画の戦前史」徐園著、日本僑報社刊。

日本僑報社は、日中関連の出版社。語学や留学生の本をよく出します。

徐園さんも、同志社の留学生だった。聞いたことあるなぁ、と思ったら、それは豫園(よえん)。上海にある観光スポット。徐園さんは、1981年の山東省生まれです。

彼女は、同志社に留学して何を勉強してたか? 漫画です。

子どもの頃から「鉄腕アトム」「一休さん」を見て育ち、現代も「ワンピース」「名探偵コナン」は大人気。80年代生まれ「八零後」は、日本と同時進行しているんだね。

キッカケは、世代に共通。「日本の漫画文化が、どうして強大なソフトパワーを持つようになったか?」、その源流を知りたいと戦前の新聞を渉猟して、子ども漫画を調べたのだった。

漫画を評論した本は、今も盛んに出てます。でも、ほとんどは、今の漫画評論。たまに、戦後からの通史があります。戦前は、ほとんど無い。

清水勳、石子順、須山計一、飯沢穝、小野耕世くらいかな? 知らんまに竹内オサムという人がいて、彼が徐園さんの論文指導教官だった。

ポイントは、大人が読む新聞に連載されていた子ども向け漫画を調査したこと。たぶん、初めての視点。

明治時代も、多少は子ども向け漫画がありました。

大正時代に20本程度に増える。それから昭和12年には140本と繁栄してピークを迎える。それから一転して昭和20年敗戦に向かって50本と少なくなる。

掲載状況だけでなく、ジャンル別の流れ、表現形式も整理する。おもしろかったのは、主人公のルーツ。わけても外国漫画の輸入。

すでに、大正時代から転載してました。タイトルに「本紙特約米国漫画」とあれば、シンジケートに使用料を払っていたことになる。表示されてなければ、海賊版でしょうね。

クロネコ・フェリックスFelix the Cat 」は、福澤諭吉が創刊した「時事新報」に昭和7年に連載していた。昭和14年「東京日々新聞」の「ネコ七先生」は、Felix the Cat のパクリ。

失礼、Felix the Cat の影響は明白であると、徐園まんが探偵は書いていた。

ちなみに、僕の好きな「フクちゃん」も、昭和11年と戦前にデビューしてた。

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