新しい季節が育つという感触なんだ

絵本作家の長新太さんは、もしかするとヨゼフ・チャペックが好きだったか?

大人を夢中にさせる絵本を、たくさん残した長新太さん。ヨゼフは、一時代前に不思議で、シュールで、愉快な絵を描いていた。詩人でもある。

彼には、これまた多才な弟がいた。カレル・チャペック

ジャーナリスト、劇作家、演出家。旅行記や童話や小説も書く。SFの古典「山椒魚戦争」「R・U・R(人造人間)」の著者。これは有名。

趣味も多方面だった。写真と絵。それに昆虫採集、犬を飼い、園芸とくる。4月下旬から、ページが減るのを惜しみながら読んでいた本「園芸家12ヶ月」が終わってしまった。

兄ヨゼフの挿絵も、可笑しかったなぁ。

シロウト園芸家の習性を1月から順に12月までを軽妙に書く。近い味は「北杜夫どくとるマンボウ」。

・素人園芸家になるためには、ある程度、人間が成熟していないとだめだ。言い換えると、おやじらしい年齢にならないとだめだ。

なぜならば、若いうちは

・女の子の尻を追い、野心を満足させ、他人の作った人生の果実を食べるのに夢中だからだ。

4月22日に園芸高校で始まったバラ栽培。授業以外にも、有志は除草に通う。ひたすら除草と土の手入れ。

園芸とは、ほとんど土いじりなんだ。すると、

・足などというものが、どれだけ邪魔っけなものか、不必要に長いものか、経験者でなければ想像もつかない。写真の三脚のように伸び縮みできたら、どんなにありがたいだろう。

果てることない、よい土作りをめざして悪戦苦闘。そして、やっと指にふれる芽。

・息をしてはいけない。キッスを言葉で表せないのと同じだ。そういうものは、他にも二、三あるが。

第2回目授業は、5月20日だ。カブトムシのような足をして、僕も芽をさがそう。

サリフ・ケイタ