愉快が、道を説く最良の方法だよ
子どもの日に登場する鍾馗さん。
中国唐の玄宗皇帝時代に科挙試験に落第し、恥じて宮中で自殺した。その頃、皇帝は病気にかかり、悪鬼が跋扈する夢を見た。うなっているところに、鍾馗の霊が現れて祓ったので快癒した。
以来、魔除け・疱瘡除けとして端午の節句の重要キャラとなる。
んだよ、皆さん。
「白隠禅画をよむ」ウェッジ刊。
渋谷bunkamuraで、白隠さんの禅画の展覧会やってたでしょ? おもわず、「おもしろいねぇ」と相づちを打つ。
好んで描いたキャラは、達磨・布袋・お多福・雷神のようなもの。絵だけでも充分楽しめます。そこにサラサラと書が添えてある。読めない。
展覧会会期中に、学士会館で花園大学主催の講演会がありました。出会ったのが吉澤勝弘教授。紹介されたのが、この本。
だいたい、禅問答という言葉があるくらい「後方抱え込み3回半ひねり」ほど、話が飛躍する禅。
有 = 無 とか、 一 = 万法 とか、 煩悩 = 菩堤 とか。
それを、和歌・説話・謡曲・狂言・浄瑠璃・俗謡プラス語呂合わせやパロディにし、数万点の書画を残した白隠禅師。
講演会では、ほんの2〜3点を読み解く。本の表紙画は、鍾馗さんがすりこぎを持って、何かをつぶしにかかるの図。口語訳すると
・こんなむごいことをせんならんから、鬼味噌ばかりはすりにくいものじゃ
と言ってる。鉢の中には、4匹の鬼。これすなわち、欲望とか放埒のこと。
して、左下にいる息子が言う。
・父ちゃん、ちょっとなめてみたいよ
鬼味噌は、現代も売られている辛口の味噌。息子=衆生に
菩堤心いっぱいの鍾馗さんがすすめる新メニューなのだった。
説明する吉澤教授、学者にしておくのはもったいない。香具師のような声。すたすた坊主になって、全国を遊歴してほしい。