野バラって、ほんとに野性だった
家から電話で問い合わせる。「もしもし、高橋先生ですか? 今日は雨が降ってますが、授業はあるんですか?」
「雨が降っても、雪が降ってもやります」。
5月20日は、雨だった。都立園芸高校で、第2回目のバラ授業「原種バラの説明と手入れ」。
第1回目の授業は、在校生は修学旅行で不在だった。今回、ボランティアメンバーと初顔合わせ。園芸科5人、動物科3人の高校3年生。
高橋先生の先生は、鈴木省三(せいぞう)という人。
動物でブリーダーって仕事がありますね? 植物にもあったんです。育種家という。生涯130品種を発表し、ミスター・ローズと呼ばれた。今年、生誕100年。
昭和30年、初任給1万円の時代に、バラの苗木は1本2000円。現在なら、ざっと4万円。お金と時間とゆとりのある人向けの園芸趣味でした。
省三青年は、都立園芸高校卒業後に奥沢でバラ園を開く。
「1万粒撒いて、いいのは1株くらい」だから、博打ビジネス。パトロンが必要。京成バラ園から声がかかって、以後はここでに育種に励む。
新品種に金色堂、夢殿、春の舞、薫夫人、根室の朝、雲海、夏まつり、法隆寺、かがりびなどと典雅に命名する。写真は、1982年京成バラ園作の朱王。
最相葉月著のノンフィクション「青いバラ」に鈴木省三が出てくるというから、読まねばなるまい。
高校のバラ園では、今が盛りと咲き誇る。先生が引率して回る。茎、葉、花の一口説明が怒濤のように押し寄せる。とにかくです、授業が終わったらも一度もどって復習せねばなるまい。
・サンショウバラ 木に成るめずらしいバラです。
・アンバークィーン All American Rose Selectionを受賞したもので、世界中で咲いてます。
・ロサダマスケナ シーザーを迎えるために、クレオパトラがこの花を湯船に浮かべました。
バラは5弁の花びらを持っています。だから、桜もリンゴも仲間って、イメージ結びつかないよなぁ。