制作プロセスを見せる珍しい資料

ロゴタイプという競走馬がいることを最近知りました。それだけ、一般的な言葉になったんだね。

会社名、商品名を独自にデザインした書体のこと。

僕がデザインに目覚めたのは1964年の東京五輪から。町に、駅に、広場に、道路にあふれるポスターや旗は、高校生に「見たことがない文化だ」と感じさせるほど強烈だった。

デザインという言葉に出会ってなくても、その形といい線といい色といい、見る人の気持ちを整理してくれる。一瞬でメッセージが伝わる視覚。

気になり出したら、後は一気呵成。ペーパーだろうがパッケージだろうがサインだろうが、あらゆるロゴタイプを吟味するようになった。

本もむさぼるように購入。

「ロゴ コンストラクション」パイ インターナショナル刊。

ロゴタイプって性格です。とげとげしいデザインなら、中身も尖ってる。シャープと感じるなら、中身もシャープ。温和なら、温和。

だから、クライアントからレクチャーを受けなければいけない。デザイナーは、対象を深く理解しなければいけない。深く理解するには、勉強しないとね。

リサーチ、コンセプト、原案、修正といった工程をふんで一点が完成する。センスの前提にあるのは、一瞬で「見たことがないものだけど、わかる」と伝えるための粘り。

本は、世界のデザイン会社の作品を紹介してます。完成品だけでなく工程まで披露しているめずらしい本。思考の軌跡が読み取れるのが楽しい。

Isabelle Ciaravola