眺めがよくなるハンモックがほしい

ジャケ買い本「旅立つ理由」旦敬介著。

アフリカと中南米を旅した21の物語。片岡義男さんは北米ですが、彼と同じ漂流感のある文章だった。南大西洋をはさんで、ケニアとメキシコ・キューバ・ブラジル。

文章が雨期です。湿ってます。その場で暮らしたい自分と、それができない「旅人の俺」。市場・食堂・料理の話がよく出てくる。

食の風景が、すなわち旅。「腹が減る」以外は、ため息。「どうして、こうしちめんどくせぇ俺になっちゃったんだろう?」。

各話にはさまれている絵がいいんだ。門内ユキエさんのイラストが。

南国が好きなんだろね。土ぼこり、色鮮やかな鳥、飼われている動物、ひしゃげた鍋。そして、海は昼も夜も好き。虫なんか全然気にしてない。

ねっとりした空気は、住んでなければ描けない。現在は、ブラジル在住とわかって納得したよ。

何という画法かわかりませんが、小学校の時にやったお絵描きを思い出す。

まず、無造作にいろいろな色をクレヨンで全面を塗る。次に、黒色クレヨンを上に塗りかぶせる。最後に、釘でひっかくように絵を描く。下地の色が、黒面から浮かんでくる。

黒って、ヘタを隠すでしょ? アートになるわけ。

門内ユキエさんのは、金がもらえる絵です。でも、子どもの頃に僕と同じ経験をしてたんじゃないか?

アフリカも中南米も行ったことないから、彼女が帰国した時は話したい。

文章に出てきた、ダニエル・サントス。