キョーサイは、キョーゲン好きだった
浮世絵の歌川国芳つながりで知った、川鍋暁斎(かわなべ きょうさい)。
師匠の国芳がお化けをよく描いていたので、弟子の暁斎もよく描いた。お化けとか骸骨が、喧嘩したり将棋を指してる絵。
ユーモアは共通。違う所は、ファナティックなところ。国芳に比べて骨ばっているぶん、キリキリとした狂気がある。国芳が面の人なら、暁斎は線の人。
抜群のデッサン力です。
6月26日まで、原宿の太田記念美術館でやっているのが「北斎と暁斎 奇想の漫画」展。北斎漫画vs暁斎鈍画。どちらも、とにかく「見る」人。描く時間1に対して、見る時間10ってな割合。
「なぜ、スケッチで真実を写し取れないのか?」と悩んだ日々だった(ことだろうと思う)。
というところに、三井記念美術館では16日まで「川鍋暁斎の能・狂言画」展のニュース。
奇想の人ですから、なんとなく破れ障子に波打つ畳のような家に住んでるイメージがありました。湯島の自宅に能舞台まで作っちゃうほどの人で、画の修業時代には大蔵流の
狂言を稽古するほど年季が入ってた。
もちろん、実演も見ていたことでしょう。でも、それを画にするには? 能・狂言の演目は、彼の時代にすでにクラシック。ということは、和綴じの資料を見て有職故実を調べていったということだ。
え〜、
竹灯籠の境内の道。なんとなく、能舞台の橋掛がりっぽいでしょ? ほんとは、一の松・二の松・三の松なんだけど、並んでいると一緒に見える。
本日の連想散歩、なりけり。