富士山の文化って、よくわからん

いつの間にか、富士山が世界文化遺産登録されるらしい。

どのへんが、文化なんでしょう? 

霊峰だから? 浮世絵に描かれているから? 文部省唱歌富士山」があるから? 

・あたまを雲の上に出し 四方の山をみおろして

さぁ、皆様ご一緒に。

作詞が、巌谷小波(いわや さざなみ)と出てました。明治の高名な児童文学者。例によって、読んだことはありません。古書業界では、高値で取引されてる。

なんとなく、ありがたい人。

年間32万人が登るらしい。富士山ボランティアでゴミ回収する意味がやっとわかった。

去年長野で、裏山の崖に空き缶が大量投棄されている現場を見たからね。誰かが捨てれば、自分も安心して捨てる。躊躇なし。「まだ、こんなことやってるんだ」。ダサイよねぇ。根性がカッペ。

環境経済学の栗山浩一さんは、入山料に2万円徴収すれば登山者が半減する試算を出した。

半減人数 × 2万円 = 30億円。これで環境保全や、登山者の安全対策をする計画。

それにしてもさ、そんなにしてまで、登りたいかねぇ。東京タワーと一緒で、僕は展望台に登るより、遠くから眺めていたい派。

太宰治の「富嶽百景」。有名な一文の心情は、懊悩です。

・富士には、月見草がよく似合う

井伏鱒二を訪ね、文学的野心に燃え、結婚活動をし、青年たちと酒を飲み交わし、茶屋でおばあさんと会話する。

峠から眺望しても、窓ガラス越しに見ても、富士はのっそり、どんより、おおらか姿。それに苛立ち、かつ、ありがたがる。

現代32万人は、もっぱら健康・観光登山だから、「月見草がよく似合う」心情の人は、あまりいないだろうなぁ。