ちなみにドーバー海峡は34km

1ヶ月ほど前に、公園で読んだ本「なぜ人間は泳ぐのか?」太田出版刊。

速く泳ぐ方法は、いりません。できないし。

遅くても、長く泳ぎたいと思っているので、遠泳をやってる人の話は参考になる。著者のリン・シェールさんは、ニューヨーク在住の放送ジャーナリスト。今回は、番組を作るのではなく、自分で泳いだ体験記。

北京五輪からオープンウォーター・スィミングが正式種目になったほど、世界中でオープンウォーターの競技会があるんだね。

水泳大国アメリカ。

サンフランシスコでは、チェサピーク湾からアルカトラズ島までの遠泳。脱獄不可能の連邦刑務所があったアルカトラズを拠点にするところが、笑える。

東のニューヨークも負けてません。

ブルックリン・ブリッジの下を横断するもの、自由の女神が立つリバティ島を1周するもの、マンハッタンから対岸のニュージャージー州まで渡るもの。

マンハッタン島を1周する45kmコースもある、ってどうよ?

これを東京湾におきかえると、横浜をスタートして湾岸沿いに太田・品川・中央・江東区を息継ぎでながめながら、ディズニーランドの浦安まで泳ぐってことか?

カモメなんかに頭をこずかれながら、必至で泳ぐ我が身を想像する。ゆとりがないのは、足が届かなくて溺れるのではないか、という恐怖と闘うから。

大会は、ボートが伴走します。ところが、レスキューと泳者は手が触れてはいけないのがルール。ボートに回収されるということはリタイアですから、これは避けたいし。

リン・シェールさんが泳いだのは、現在物情騒然のトルコ。

北から南に黒海イスタンブールのあるボスポラス海峡を下るとマルマラ海。そして、ダーダネルス海峡を過ぎるとエーゲ海・地中海に出る。ホメロス叙事詩イリアス」の舞台ダーダネルス海峡が、彼女の舞台だった。

潮目がある、クラゲがウヨウヨしてる。これもプールにはないから恐怖。できない理由が次々と浮かぶ。でも、晴れ晴れと気持ちよさそう。

と、僕の妄想に「勝手にしたら」など言い放つあなた。そりゃぁ、つれなかろうぜ。

忘れてた、こじつけ写真説明。ダーダネルス海峡に似てるでしょ。

ネマニャ・ラドゥロヴィチ