そもそも、そんな漢字があるの?
高知県の小学校の田中元康先生は、漢字でおもしろいことやってます。
「海」は、「さんずい」と「毎」でできてます。その間に「星」を入れると、何と読みますか?
ヒトデ 正解!
じゃぁ、「車へん」と、つくりが「赤」と「白」で何?
救急車 いいねぇ。
生徒たちも、負けじと漢字を創作する。
・「顔」を冠に、下に「紙」と書いて、マスク。
・「円」の字の下中に、「水」を入れると、バケツ。
「方言漢字」角川選書刊を読んでいると、中国生まれの漢字が日本の自然や習俗に合わせて加工されてきたのがわかる。漢字の創作にも、歴史があった。
著者の笹原宏之さんは、日本語学者。
文部科学省「常用漢字」、経済産業省「JIS漢字」、法務省「人名用漢字」の改正にたずさわっている人。漢字も、役所の窓口が別々ってとこが、笑えるよね。
たまに「この漢字が認められた」ってなニュースが流れるでしょ? あれを裏から支える人だった。
「当て字」まで研究するのだから、日本語学って対象が幅広いんだ。
「方言漢字」ですから、北海道・東北から九州・沖縄まで、その地方で特色のある漢字を取り上げてます。
我が世田谷区にある、砧(きぬた)公園。地名数30万あるなかで、砧町は全国一カ所しかない地名。
大阪の四条畷(しじょうなわて)の畷市。京都の化野(あだしの)、先斗町(ぽんとちょう)も有名ですが、普通じゃ読めない。地元住民以外で読めない地名も、数千カ所ある。
困るのは、たとえば道路標識を立てなきゃいけない道路公団。普通にある「へん」と「つくり」を、切り貼りして創作するような地名がある(もちろん、普通に読めない)。
薔薇みたいに、画数が多い「黒っぽい漢字」も雨あられとある。現代の中国語のように略字体もあるが、だいたいは正字で書くから頭がいたい(もちろん、これもドライバーは普通に読めない)。
本でとりあげている漢字を一々引用すると、1ヶ月はかかるから、一切書きません。
むずかしい話じゃなく、町を「まち」と「ちょう」で読み分けるでしょ? ってなこともあった。
東北の月は「月山(がっさん)」だし、山陰の山は「大山(だいせん)」と読んでね、とくる。
人名も地域性があります。電話帳をめくる。
・坂本さん 東京5928軒 大阪4929軒
・阪本さん 東京268軒 大阪2023軒
電話帳をめくって数を数えるのも研究のうち。労をおしまず。
さて、写真漢字クイズ。
母親の木が、赤ちゃんを抱いているように見えませんか? 何て読むでしょう?
それぞれ、考えてちょうだい。僕の答えは、こけし。なぜ?と問われても、理由はありません。じぁ。