応仁の乱後は、「なれのはて」の町

夏になると、全国で薪能が上演されます。

中年不倫小説に欠かせないシーンが浮かぶのは、僕だけでしょうか? 絽か紗を着た彼女は、炎を映す瞳を舞台に投げながら、こめかみがうっすら青く欲情しているのを、男は見逃さなかった・・・。

だいじょうぶ、おじさん?

はい(伏し目がちに)。

梅原猛原作の「スーパー能 世阿弥」も国立能楽堂での初演を終え、演出を改良して全国をまわるらしいので、薪能で上演されるのだろうか?

世阿弥親子の物語を現代文で演じる。というから、観阿弥世阿弥だと思うでしょ。違うんだ。世阿弥と、その子・元雅の物語。

能楽の常識を一回まっさらにして、舞台・照明・囃方・地謡、そしてシテとワキが7人登場。これは、もうミュージカル。元雅が自分の首を差し出して、父・世阿弥への思慕を訴える。「そういうことも、ありえた」という梅原能。

時は、室町時代

足軽の誕生」早島大祐著。

12年間の応仁の乱が終わっても、変わらず京の都は荒れ果てて、夜毎、夜盗がバッコする。死体は道にころがる。博徒が集い、団をなし、博打をやるは、喧嘩はするは、鯨飲をするは。

やりたい放題の足軽・牢人の跳梁。

とここまでは、順調に読めた。後がいけません。足利氏、荘園、守護大名と「正史」が続くので付いて行けません。基礎知識がないのに、古文書読み解かれてもなぁ。

こっちは、アウトローの「正史」に興味があるのにさ。牛歩で、室町ウォッチャーになるからね。

ジョバンニ・アレビー