ポスター張り替えが選挙運動の「山さん」

6日が初日。想田和弘監督「選挙 2」。

「音だっち」ツネツネと彼の友だち遠藤さん、そして僕の3名でイメージフォーラム前に集合。1時20分の回を見ようとしたら、すでに切符は売り切れ。4時20分の回にずらす。

まぁ、久しぶりに混雑する映画を見ました。

21日の参院選があるから。も、あるでしょう。でも、「音だっち」レクチャーによれば、「選挙」「精神」「演劇1・2」とすべて見て、監督の映像表現が気に入っているのだった。

監督いわく「観察映画」。モノゴトは、どんなことにも観察の視点があるはずだ。自分が選挙を観察する視点は、これだ! というプレゼンテーション。

3・11震災後に行われた、4月の川崎市議会選挙。山内和彦、通称「山さん」は出馬する。子どもがいるから、放射能量が心配で「原発やめて」と主張。

看板ポスター、広報誌、広報ハガキの費用総額8万4720円。選挙カーで連呼せず、駅頭で「おはようございます」と握手せず。

あわせて、他の立候補者たちをカメラが追う。これが、みごとなカリカチュア。真剣・必死の姿勢になればなるほど、笑った後に状況の闇が浮かぶのだった。

選挙運動最終日の1日だけ、「山さん」は放射能防護服コスプレで駅頭に立つ。旗には「子どもにツケをまわさない!!」。

46歳。マザー・フッドあふれる主夫の怒りの主張。僕には、監督の政治状況「観察」より、主夫への「観察」のほうがよっぽど応えた。市民の公的活動が、奥さん・子どもと3人でやる家族イベントにナチュラルに繋がる驚異。

上映後のトークに、監督と3人がスクリーン前に登場。もう、坊ちゃんには退屈で、お母さんの前後左右を天地無用でまとわりつく。

弱いんだ、この年齢に。

ポリーナ・セミオノワ