青山にできた50年代のアメリカ

HAIR CUT  4000

SHAMPOO  2000

SHAVING   3000

FULL     7000

ガラスに出てた床屋の値段表です。オーセンティック・バーバー。フリーマンズ・スポーティング・クラブ3階。「音だっち」ツネツネは、値段を見て、「普通じゃないですか」と、のたまう。「シェービング、やってもらおうかなぁ」と逡巡してる。

イメージフォーラムで「選挙 2」上映前に、彼の友だち・遠藤さんと3人で訪問。

僕に、グラフィック・デザイナーの友だちがいて、とれたて情報を教えてくれる。4月、日本にこの店が初上陸した時に、すぐ連絡が来た。

地下がレストラン、1階がカジュアルウェア、2階がテーラールーム。ここでは、レディメイドとオーダーメイドのスーツがある。ちょうど、テーラーが仕事中だった。

ニューヨークの本店は、ソーホー東のバワリーにあると聞く。年代のレンガ建築が並ぶ地区。ファスト・ファッションのように中国やバングラディッシュで製造しているのではなく、すべて地元製。

内装で1950年代をイメージしている。製造法も、50年代スタイルということか。

「ベスト&ブライテスト」でベトナム戦争を著いたデイヴィッド・ハルバースタムは、「ザ・フィフティーズ 1950年代アメリカの光と影」新潮社刊も出しました。

第二次世界大戦唯一の戦勝国だったアメリカの栄光と、戦勝直前から始まった冷戦で冷静でなくなったアメリカ。

反共のマッカーシー旋風が吹き荒れる。片や、ママと星条旗とアップルパイ。ニュージャージー生まれの店オーナー、ターボ・ソマー兄さんは70年生まれだから、リアル体験はない。

でも、郷愁があるんでしょう。床屋の椅子も、わざわざ50年代の黒革バーバーチェアを日本に持って来ましたから。これが、白いタイル床に映えるんだ。

週末に開くノミの市で買ったんでしょうね。

「どうします? 髭、あたってもらう?」

「映画の時間が迫ってきたから、今度にしましょう」。

もう、真夏は始まったのだろうか?

MIKA